札幌市あいの里東中が特別授業　裁判官招き模擬裁判

（学校 2017-12-15付）

生徒たちは実際にあった事件をもとに、模擬裁判を体験した

　札幌市立あいの里東中学校（和田正教校長）は一日、同校で裁判官を招いた授業を実施した。三年生約二百人が参加。模擬裁判を行ったほか、裁判官から仕事内容について説明を受けるなど、裁判に関する学びを深めた。

　社会科の授業の一環として実施。前時までに、検事や弁護士から仕事に関する説明を受けており、今回は裁判官から説明を受ける授業を設定した。

　この日、三年生の二クラスごとに裁判官を招いた授業を実施。このうち、一組と五組では、札幌地方裁判所の島戸純裁判官と同校の結城学教諭が指導に当たった。

　はじめに結城教諭が札幌地方裁判所では月に約九十件の刑事事件を扱っていることを紹介した。

　続いて、島戸氏が裁判官の職務について「法廷での審理に立ち会う」「評議で意見を述べる」「判決の宣告に立ち会う」などと紹介。裁判員裁判については、札幌地方裁判所で年間二十六件あり、補充裁判員も含めて約二百四十人が参加していることも説明した。

　また、事実の認定や法律の適用、結論など裁判のポイントを示したあと、模擬裁判を体験。二十六年に小樽市の海水浴場近くで発生した飲酒ひき逃げ事件について「スマートフォンの画面を見て運転していたことは、酔っ払って正常な運転が困難な状態だったと言えるか」「危険運転致死傷罪と過失運転致死傷罪のどちらで、どのくらいの刑が適当か」について、グループごとに協議した。

　和田校長は「裁判官から裁判の仕組みや仕事の内容を直接聞くなど、子どもたちにとって貴重な機会となった」と話していた。

(学校 2017-12-15付)