道教委のSCRUM研究大会道央ブロック ALの手法、試行錯誤を 北大・山本特任教授が基調講演
(道・道教委 2017-12-12付)

 七日に札幌北高校で開かれた道教委主催、石狩教育局主管の「教科等の本質的な学びを踏まえたアクティブ・ラーニング(AL)の視点からの学習・指導方法改善のための実践研究」道央ブロックSCRUM研究大会では、北海道大学高等教育推進機構の山本堅一特任教授が「主体的・対話的で深い学びの本質~アクティブに教える教師とパッシブに学ぶ生徒」を演題に基調講演を行った。

 山本特任教授は「ALは授業の手法ではなく、あるべき形態で、唯一の正解はない」とした上で、児童生徒が授業で主体的に学ぶ条件を紹介。生徒の学習意欲、授業に没頭できる環境などを挙げ「学習者の目線で、本当にアクティブになっているかどうかを確認しなくてはならない」「授業そのものが目的ではなく、授業を通して生徒が自ら学ぶ姿勢を身に付けることを常に意識することが大切」と述べた。

 さらに、自身が提唱する「総学習動機量説」を紹介。学習動機の概念を質的な量と仮定し、正と負の学習動機を合算して総量を定義するもので、学習に没頭できる正の状態を長く維持するには、教師の指導や学習環境のみならず、生徒自身の努力も必要だとした。

 このほか「ALは様々な手法があり、自分に合うものを試行錯誤し、無理なく取り入れるのがよい」と述べ、授業後の振り返りにおいては学んだ内容を整理すること、ほかの生徒と共有させること、振り返った内容から、授業で不足していた部分を確認することの大切さを挙げた。

 質疑応答では、参加者が「子どもの資質・能力が向上したかどうかは、短期的には分かりにくい。どのような指標があるのか」「授業後の振り返りが形式的になりがちだが、どうすればよいか」などと質問。山本特任教授は、大学の授業での事例をもとに、丁寧に説明していた。

(道・道教委 2017-12-12付)

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