道教委の新しい教育計画策定方針 具体的な目標指標盛る 学校以外で1時間以上勉強など
(道・道教委 2017-12-13付)

 道教委は、現在策定中の新しい教育計画において、すべての子どもが「授業の目標を意識して学び、振り返る活動を行うこと」「記述式の問題で最後まで解答を書こうと努力すること」「学校の授業以外に一日一時間以上勉強すること」などを具体的な目標指標として示す方針を明らかにした。このような子どもの姿を実現するための授業改善などについて各学校への指導助言を徹底するとともに、保護者が子どもとのかかわりについて学ぶ研修会を全道各地で開くなど、家庭・地域・行政が一体となった学力向上の取組をより一層進めていく。

 十一日の道議会予算特別委員会第二分科会で、太田憲之委員(自民党・道民会議)の質問に柴田達夫教育長が答えた。

 道教委の説明によると、二十九年度全国学力・学習状況調査結果では、記述式問題の道内平均正答率がすべての問題で全国平均を下回るとともに、無回答率が全国平均を上回っており、根拠や理由を明確にして考えを記述する問題などに課題がみられる。

 また、学校質問紙調査をみると、子どもに対して授業の中で目標を示しているとした学校の割合は小学校七一・九%、中学校六一・九%となっている。一方、児童生徒質問紙調査で「そう思う」と回答した子どもの割合は小学校五二・六%、中学校四六・七%となっており、学校が指導を行ったと考えていても、そのように受け取っていない子どもが一定割合存在することが明らかになった。

 授業の最後の振り返る活動に関しては「よく行った」と回答した学校の割合が小学校五五・六%、中学校四八・一%であるのに対し、「そう思う」と答えた子どもの割合は小学校三六・六%、中学校二〇・七%となり、こちらも学校と子どもの意識に差が生じている状況にある。

 児童生徒質問紙調査では「普段、一日当たり一時間以上勉強する」と回答した子どもの割合は小学校五七・一%、中学校六四・二%と昨年度と比べ、いずれも二・四ポイント高く、やや改善した。

 一方で「一日当たり一時間以上、携帯電話などで通話やメール、インターネットをする」と回答した子どもの割合は小学校二五・六%、中学校五五・二%とそれぞれ二・四ポイント、三・三ポイント上昇した。

 柴田教育長はこうした課題を踏まえ、現在策定に向けて準備を進めている新しい教育計画における具体的な目標指標として、すべての子どもが「授業の目標を意識して学び、振り返る活動を行うこと」「記述式の問題で最後まで解答を書こうと努力すること」「学校の授業以外に一日一時間以上勉強すること」などを示す方針を明らかにした。

 このような子どもの姿を実現するための授業改善などについて「各学校への指導助言を徹底する」ことのほか、「保護者が子どもとのかかわりについて学ぶ研修会を全道各地で開催するなど、より一層家庭、地域、行政が一体となって学力向上の取組を進めていく」と述べた。

(道・道教委 2017-12-13付)

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