講話などで安全対策確認　道高体連が登山指導者研修会

（関係団体 2017-12-26付）

山岳救助隊が救助用ヘリコプターについて説明した

　道高校体育連盟（谷坂常年会長）は十六日、道警本部航空隊札幌支部で登山指導者研修会を開いた。高校の登山専門部の指導者と部員五十九人が参加。道警本部山岳遭難救助技能指導官、国際山岳医による講話、実技指導を通して安全に登山するための知識を学んだ。

　道体育協会との共催、道警本部の協力のもと実施した。ことし三月に栃木県で高校山岳部員らが死亡する雪崩事故が発生したことを踏まえ、安全な登山を実施できる知識、技術の習得を目指すことが目的。

　高校の登山専門部の指導者と部員五十九人が参加した。開講式のあと、道警本部山岳遭難救助技能指導官の松本孝志氏が「山岳遭難救助活動の実際～通報から現場活動」と題して、道内の山岳事故や救助の現状を伝えたほか、実物の救助用ヘリコプターを紹介した。

　また、国際山岳医である道大野記念病院医学博士の大城和恵氏が「登山の医学～予防とファーストエイド」と題して講話。状況・安全確認、脊椎固定、気道確保など、それぞれのアルファベットの頭文字から傷病者対応の優先順位を示す「３ＳＡＢＣＤＥ」を伝えたほか、外傷処置、熱中症、低体温症などに対処する方法を紹介した。

　このほか、山岳遭難発生時の１１０番通報の要領について説明。バッテリーを温存するため携帯電話等の使用は控えること、冷却によるバッテリー消耗を避けるため温めておくことなどの注意点を伝えた。

(関係団体 2017-12-26付)