国への要請活動など報告 道小理事研・角野会長あいさつ
(関係団体 2017-12-22付)

 十八日に開かれた道小学校長会(角野誠会長)の二十九年度第四回理事研修会における角野会長のあいさつ概要はつぎのとおり。

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 教育情勢について、四点話す。

 一点目は、十一月二十一日に開かれた全連小常任理事会の報告である。

 最初は、要請活動について。十一月十三日に教育関係二十三団体による全国集会が行われた。今後の予定に記載されている十二月十五日の文部科学省に対する三十年度の予算要望活動は、すでに実施された。いずれも、教職員定数改善の問題が大きな柱となっている。

 続いて「デジタル教科書の位置付け」についてである。中央教育審議会初中分科会資料によると、デジタル教科書の位置付けについては、紙の教科書を主たる教材として使用することを基本としつつ、学びの充実が期待される教科の一部について、教科書に代えて使用するという考え方が示された。以前、教科書がすべてデジタル化されるという一部報道もあったが、それは払拭された。

 続いて『小学校教育の充実・改善に関する要望書』についてである。

 最初の項目には、教員の長時間勤務改善や定数改善など人的措置について記述してある。この項目では、「子どもと向き合う時間を確保するための」という枕詞がポイントとなる。単なる待遇改善活動と誤解されないことが大切である。

 この要望書は、十五日午後、全連小役員とともに、私もブロック代表の常任理事として、衆議院議員会館および参議院議員会に届けてきた。

 続いて、財政制度等審議会財政制度分科会で示された、教職員定数についての財務省の考え方である。その一つは、現在の法制度に加えて教職員の増加が必要か否かは、エビデンスやPDCAサイクルの確立が前提だと述べている。

 その二つは、教員の働き方改革についてである。教育委員会等の調査物の厳選、部活動の在り方の見直しなど、業務の適正化を行っていくべきだと主張している。

 その三つは、次期学習指導要領の時数増加への対応については、すでに標準時間を上回る授業を実施していることから、それを英語に振り替えて対応すべきだと述べていることである。

 これに対して全連小は、財務省の次期学習指導要領の時数増加への対応については、現状をよく理解していない机上の空論であると強く反論している。

 全連小では、事前に財政審に意見書を提出していたが「人的配置の重要性について」の項目において、教育現場の現状が的確に述べられている。

 「現在の日本の教育を維持できているのは、教員などによる、授業時間のみならず、授業に臨む教材研究および教材準備、授業時間にはカウントされていない指導の時間、そして何よりも各学校等による研究会・研修会の成果だと考えている」というくだりである。

 続いて、全国大会開催にかかわる全連小の運営規則等についてである。次年度、函館で全国大会があるので、資料を提供させていただいた。

 道小からは、全連小の常任理事会において、各ブロックに対して大会宣言文審議委員の報告を求めたところである。また、各都道府県の参加割り当てを提案している。三十年一月に研究大会の事前打ち合わせ会があることも、承知いただきたい。

 二点目は、本年度の学力・学習状況調査の北海道版結果報告書の公表についてである。十二月四日に道教委義務教育課から説明を受けた内容を報告する。

 公表における柴田教育長のコメントであるが、本道の状況は、全国の平均正答率との差が縮まるなど改善がみられるとしながら、大きくつぎの三点が課題だとしている。「記述式問題で全国より無回答率が高いこと」「授業の振り返りが子どもたちに十分意識されていないこと」「望ましい生活習慣が十分身に付いていないこと」である。管内の状況については、ばらつきがあるものの、全道の平均と下位の管内の差は縮まっているとコメントされている。 

 最後に「北海道の学力向上関連の取組の検証および改善に向けた取組」についてである。コンパクトにまとめられているので、校内研修などで使っていただきたいとのことである。

 この中では、特に授業改善、学習習慣、生活習慣・小学校と中学校が連携した取組、検証改善サイクルを重点的に見ていただきたいということであった。

 また、道教委担当者との話し合いの場では、道小からも意見を三点ほど述べさせていただいた。一つ目は、課題が明らかとなっている管内へのサポートを手厚くしていただきたいということである。人的配置や研修体制の整備をお願いした。

 二つ目としては、民間教育団体との連携や活性化についてである。学力向上に向けて授業改善を進める上では、民間の教育研究団体との連携が欠かせないということを述べさせていただいた。最近、地方によっては、教科等の団体の活力がやや低下しているのではないかという指摘があるためである。

 三つ目は、校長として、学力向上に向けた校内体制を整備した上で、学力低迷の要因を地域性としてしまうことがないようにして、たゆまぬ努力を続けていくということである。

 三点目は「働き方改革」についてである。道教委では学校における働き方改革「北海道アクションプラン」の構想を立てている。このことについても、過日、道教委教職員課から、説明を受けている。私の方からは、働き方改革が叫ばれる一方で、矢継ぎ早に教育改革の波が押し寄せてくるので、新しい施策と教員の働き方をセットで考えていただきたい旨、お願いした。こうしたことは、中教審の働き方改革中間まとめ案においても「文科省が新たな業務を加えるような場合は、すでにある業務と調整する必要がある」と述べられている。

 最後の四点目は、服務規律についてである。

 道内各地や札幌市において、飲酒運転をはじめ、セクハラやわいせつ、万引きなどの不祥事が明るみに出ている。冬休みを迎える直前に、今一度、校長会として襟を正し、教職員に対する服務規律の指導を徹底していかなければならないと考えている。

(関係団体 2017-12-22付)

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