道特別支援学校長会29年度冬季研 求められる強い使命感 宮崎会長のあいさつ概要(関係団体 2018-01-10付)
宮崎会長は、学校経営の現状と課題について述べた
道特別支援学校長会の二十九年度冬季研究協議会における宮崎真彰会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
▼教育活動とコンプライアンス
広報から「旬情報」として各校の実践が多数発信された。いずれも、共生社会の形成に向けて、また、地域振興の一翼を担った教育活動として、本会としても一つ一つの実践に力をもらった。あらためて、地域に根ざしながら、学校経営に尽力している各校長先生に敬意を表する。
しかし、喜ばしい話題の一方で、体罰や服務規律に反する不祥事もあり、その根絶や再発防止に向けてあらためて見直しを迫られる一年でもあった。
中でも、個人の倫理観が問われる一方で、職員間の連携や事務部との連携など、職場風土が背景にあるケースも散見された。職場風土は教育環境の土台であり、働き方にもつながることなので、協働体制の整備をお願いする。
なお、教職員課服務担当課長から本会に対して、飲酒運転根絶に関する取組を徹底するようにとの文書をいただいている。
校長会としても気を引き締め、ことしは不祥事ゼロとなるよう、信頼される学校づくりに取り組んでいきたい。
▼キャリアステージの資質向上
昨年十一月に、全国肢体不自由教育校長会が山口県であり、その際の文部科学省調査官からの資料に「学校教員統計調査」があった。そこでの説明は、①経験年数五年未満の教員の割合が、そのほかの経験年数者と比較すると最も高い。これは、教えを請うべき経験の浅い教員よりも、指導に当たるミドルリーダーの方が少ないということであり、少なくても直近の三十年間にはない状況である②この状況に手を打たなければ、先輩教員から若手教員への知識・技能の伝達が途切れてしまう。若手教員がもつ知識・技能をどのように活かしていくかということも含めて、早急な対策が必要である―という内容であった。
このことについて、本道教職員の年齢構成を把握してはいないが、本道も同様の状態にあることが想定される。
郡部校ではこれまでも、若手主体の年齢構成となっていて、教育力の向上が課題となっている。ここに加えて、採用年齢が高くなり、三十代後半の初任者層職員が珍しくないという状況もある。
職員の平均年齢は高くなったものの、キャリアステージとのアンバランス状態は、年齢層の高い都市部も同様であり、初任とみられるのは一年だけで、二年目からは年齢相応の資質が求められる。年齢とキャリアステージとの間に大きなギャップを生まないことが育成のカギとなっている。
さらに、大量退職期も重なっており、教職員には、多様で複雑な学校課題に向き合う「強い使命感」と「生徒への深い愛情」が求められる。各支部、各校においては、資質向上に努めていただくようお願いする。
▼学習指導要領の改訂への対応
各校での職員の理解は進んでいるであろうか。
先ほどの年齢構成にも関係するが、四十歳前半世代までの教職員は「個に応じた指導」「ニーズ」「インフォームドコンセント」「アカウンタビリティ」というキーワードの中で、教職経験を積んできた。
担当している生徒の個別の指導計画は語れるが、自校の教育課程を語れるかとなると心許ないとか、学習指導要領は遠い存在との認識も少なくないのではないかと思われる。
共生社会の形成を目指すこれからの社会は、急速に変化している。AI化が進み、今ある仕事は十~二十年後には、四七%が自動化、九〇%がコンピュータに代わられるとも言われる。
単置校においては、生徒たち一人ひとりの自己有用感を高め、社会で働く力を育て、多くの卒業生を送り出してきたが、あらためて社会の変化を見据えた教育課程の構築が求められている。
さらに、知的障がいの教科については、これまでの別個に整理してきた教科の在り方を見直すことにもつながる。
自立活動については、高校通級にも導入されることによって、特別支援学校のセンター的機能は、根拠をもって説明することが求められる。
今改訂は、特別支援教育にとって、共生社会の形成に向けた第二弾であり、極めて重要な意味をもっている。改訂の要点の理解は、国家百年の大計を担う我々教育公務員としての使命と責任の指針であり、子どもたちを育てる教職員が一丸となるチャンスでもある。
各校においては、職場風土に応じたカリキュラム・マネジメントの仕掛けが大変重要となってくるので、この二日間を有効に使って情報共有していきたい。
(関係団体 2018-01-10付)
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