札幌市P協文教施策要望への札幌市教委の回答
(関係団体 2018-01-10付)

 札幌市PTA協議会(土田修会長)は二十九年十月下旬に、札幌市教委に対して三十年度文教施策に関する要望書を提出した。十二月中旬に、市教委の長岡豊彦教育長から土田会長に回答書が手渡された。

 三十年度札幌市文教施策に関する要望内容と回答はつぎのとおり。

学校教育に関して

▼教職員に関して

▽児童生徒がきめ細やかな教育・指導を受けることをより求められている現状がみられるため、クラス全体に目を配るためにも特別支援を含む教職員・加配教員の増加を希望する。

〈回答〉教職員および加配定数の増加については、長期的かつ安定的に確保することが必要であるため、国が保障すべきものと考えている。

 このため、今後も様々な機会を通じて、教職員および加配定数の増加について国に要望していきたいと考えている。

▼スクールカウンセラーに関して

▽相談を必要としている人が利用できない現状がみられるため、スクールカウンセラーの配置時間の増加を希望する。

〈回答〉スクールカウンセラーの配置については、早期からの相談を充実するため、小学校への配置が少なくとも週一回となるよう、段階的に配置時間の拡充に努めていく。

 また、各学校の状況に応じたスクールカウンセラーの有効活用について、検討を進めていく。

▼学びのサポーター・相談支援パートナーに関して

▽助けを必要としている児童生徒が確実に支援してもらえるよう各学校における派遣時間の増加を希望する。

〈回答〉学びのサポーターについては、活用時間数なども各学校の実情に応じて弾力的に運用できるよう努めてきた。

 また、二十七年度からは、市立高校への配置拡大と、肢体不自由のある児童生徒への身体介助を専門に行う介助アシスタントの配置を行い、一校当たりの年間活用時間数についても、段階的に拡充している。校内支援体制をより一層充実させるため、学びのサポーターの活用を進めていく。

 相談支援パートナーについては、中学校における活用において一定の効果が認められてきており、その必要性は認識している。今後は、早期対応の観点から小学校における相談支援パートナーの活用の検討も含め、より効果的な不登校対応に取り組んでいく。

▼学校図書に関して

▽低年齢からの読書習慣の定着化を図るためにも、小学校の地域開放図書館司書とは別に専任司書の配置を希望する。

〈回答〉児童生徒の主体的、意欲的な読書活動推進に向けて、低年齢からの読書習慣の定着化については、その重要性を認識している。

 中学校における学校図書館司書配置の成果を整理するとともに、小学校においても学校図書館地域開放事業を含めて、学校図書館運営のよりよい在り方について検討を進めていく。

▼校外学習に関して

▽スキー授業などの交通費等に対して金銭的負担を感じている家庭が多いことから、補助もしくはその他の対策を希望する。

〈回答〉保護者に費用負担をお願いすることになる校外学習の実施については、各学校において、教育課程を編成する際に、保護者負担に配慮しながら設定している。

 実施にかかる交通費については、各学校において、公共の交通機関を利用したり、市が補助している貸切バスを利用したりするなど工夫しているが、引き続き交通費を含めた保護者負担に十分留意した校外学習となるよう各学校に指導していく。

▼部活動に関して

▽部活動顧問の負担減のためにも、複数で担当できるように外部人材の派遣を希望する。

〈回答〉運動部活動の充実に向けて、退職教職員や地域の人材等を外部人材として活用している。部活動の維持や顧問教諭の負担軽減に有効であることから、今後も外部人材の活用を積極的に進めていく。

▼幼稚園に関して

▽現行の預かり保育は短時間預けたいときに利用しづらい制度であるため、一時間単位の料金設定や月額の上限設定を希望する。

〈回答〉二十九年一月に実施したアンケートでは、回答した保護者の七割が預かり保育を利用していることが分かった。利用していないと回答した保護者からは、料金や手続きについての意見が寄せられている。今後、利用する保護者がさらに増えるよう、料金体系などについて慎重に検討していく。

予算に関して

▼教育関連予算に関して

▽教育活動が円滑に行われるためにも、関連予算の維持・増額を希望する。

〈回答〉本市の厳しい財政状況の中、教育委員会としても、より充実した教育環境の実現を目指し、今後とも必要な予算の確保のため、関係機関に働きかけていく。その際には、貴協議会や教育現場等からの意見を反映させたいと考えているので今後とも理解と協力をお願いする。

▼読書活動推進事業に関して

▽児童生徒に豊かな読書環境を提供するため、図書購入費の増額など読書活動推進事業にかかる予算の維持・増額を希望する。

〈回答〉子どもたちの読書活動を活発なものとできるよう、今後も必要な予算の維持、確保に努め、学校図書館の蔵書充実を図っていく。

 また、地域に学校図書館を開放する「学校図書館地域開放事業」をさらに進め、子どもと地域の読書活動の推進および相互交流を図っていく。

▼PTA活動に関して

▽現状の基盤維持および強化のため、本年度と同様の助成を希望する。

〈回答〉貴協議会の運営にかかる経費については、自主財源の確保や組織運営の効率化などの協力をいただいている。

 一方、貴協議会が行う学校・家庭・地域などとの連携による教育力向上の取組、子どもの健全育成のための諸事業は、本市の社会教育の振興に大きく寄与しており、今後も、関係事業に対する支援を継続していきたいと考えている。

(関係団体 2018-01-10付)

その他の記事( 関係団体)

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道特別支援学級教育研究連盟 池田哲也理事長

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、皆様には平素より本連盟の活動に対しまして、ご理解とご支援を賜り心よりお礼申し上げます。  昨年は、第六十五回北海道特別支援学級教育研究連盟全道大会...

(2018-01-11)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道特別支援学級設置学校長協会 髙村誠会長

 平成三十年の新春を迎え、謹んでお喜びを申し上げます。また、皆様には本協会の活動に際しまして、温かいご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。  特別支援教育へ転換されて、ことしで十二...

(2018-01-11)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道特別支援教育研究協議会 松浦孝寿会長

 平成三十年の新春を迎え、謹んで年頭のお慶びを申し上げます。また、平素より本協議会の活動に対しまして、ご理解、ご協力を賜り心よりお礼申し上げます。  さて、本協議会は、昭和五十四年の養護学...

(2018-01-11)  全て読む

道特別支援学校長会29年度冬季研 求められる強い使命感 宮崎会長のあいさつ概要

特別支援校長会冬季研宮崎会長あいさつ  道特別支援学校長会の二十九年度冬季研究協議会における宮崎真彰会長のあいさつ概要はつぎのとおり。 ▼教育活動とコンプライアンス  広報から「旬情報」として各校の実践が多数発信された。いず...

(2018-01-10)  全て読む

道特別支援学校長会が冬季研 コンプライアンスで宮崎会長 信頼される学校づくりを

道特別支援校長会冬季研  道特別支援学校長会は四・五日、札幌市内のかでる2・7で冬季研究協議会を開いた。宮崎真彰会長があいさつに立ち、教育活動とコンプライアンスにふれ、信頼される学校づくりに向け決意を新たにした。 ...

(2018-01-10)  全て読む

【新春インタビュー 4種校長会長に聞く①】新学習指導要領の全面実施に向けて―道小学校長会会長 角野誠氏

道小学校長会会長 角野誠氏  ―校長会としての新年の展望をお聞かせ下さい。  各学校においては、三十二年度から完全実施される次期学習指導要領の円滑な実施に向けて、社会に開かれた教育課程の推進、指導体制の整備、校内研修...

(2018-01-10)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道NIE研究会 上村尚生会長

 謹んで新春のお喜びを申し上げます。皆様には日ごろより本会の研究活動に対しまして、温かいご理解とご協力をいただいておりますことに深く感謝申し上げます。  本研究会は「子どもの資質や能力を育...

(2018-01-10)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】 北海道教育地図研究会 永宮愼也

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。また、皆様には、平素より本会の諸活動に対しまして、温かいご理解とご支援をいただいておりますことに厚くお礼申し上げます。  昨年度は本会の創設六十周年を記...

(2018-01-10)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道地方放送教育研究協議会 小路徹会長

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、日ごろより本会の活動に対しまして温かいご理解とご支援を賜り、心よりお礼申し上げます。  昨年は、十一月二日に第六十九回北海道放送教育研究大会・第六...

(2018-01-10)  全て読む

【平成30年を迎えて 教育研究団体に聞く】北海道視聴覚教育連盟 樅山正直会長

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。皆様には、日ごろより本連盟の活動に対しまして、深いご理解と温かいご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。  本連盟は、これまで全道各地の研究団体の協力のも...

(2018-01-10)  全て読む