道立高校等の28年度インターンシップ―道教委まとめ 1回以上体験64%に上昇 課題は職業体験との差別化など
(道・道教委 2018-02-07付)

インターンシップ表
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 道教委は、二十八年度における全日制の道立高校、道立中等教育学校後期課程のインターンシップ実施状況をまとめた。実施率は八年連続の一〇〇%で、全国平均を一三・一ポイント上回った。三年間を通してインターンシップを一回以上体験した生徒の割合は、前年度比四・六ポイント増の六四・二%と上昇。実施上の課題として、生徒の正しい勤労観や職業観の学びの把握、高校のインターンシップと小・中学校で実施されている職業体験との差別化などが挙げられ、受け入れ事業所側からは、日程の短さから仕事のよさを十分伝えることができていないこと、繁忙期における対応の難しさなどが挙げられた。

 国立教育政策研究所の調査に基づき、全日制の道立高校、道立中等教育学校後期課程二百一校を対象に、昨年三月現在のインターンシップ実施状況をまとめたもの。

 二十八年度のインターンシップ実施率は一〇〇%で、八年連続となった。国研がまとめた全国の公立高校全日制の平均は八六・九%で、全国平均を一三・一ポイント上回った

 学年別の実施割合は、二年生が一・〇ポイント増の四七・九%、一年生が〇・八ポイント増の一八・〇%、三年生が一・三ポイント増の九・四%だった。

 三年間を通してインターンシップを一回以上体験した生徒の割合は、前年度より四・六ポイント増の六四・二%。普通科は六・二ポイント増の五一・四%となり、専門学科、職業学科、総合学科いずれも増加した。

 職業分類では「専門的・技術的職業従事者」が二七・七%、「管理的職業従事者」が二〇・六%、「サービス職業従事者」が一八・九%など。「輸送・機械運転従事者」「運搬・清掃・包装等従事者」は一%未満だった。

 インターンシップの実施日数は「一日」が四二・一%、「二日」が二七・八%、「三日」が二四・八%など。日数に関しては「そのままでよい」との回答が八五・四%、「増やしたい」が一二・六%、「今後減らしたい」が二・〇%だった。

 事前指導にかける時間は「一~五時間」が五三・〇%で最も多く、事後指導にかける時間も「一~五時間」が五四・九%と多かった。

 事前指導の内容で最も重視しているものとして「インターンシップの目的を設定・確認させる指導」が六一・九%。「マナー指導(礼儀作法やあいさつの方法、電話のかけ方の指導など)」が二八・九%など。

 事後指導で重視しているものに関しては「報告書やレポートの作成などインターンシップを評価させる指導」が五〇・七%、「発表会やポスターセッションなどインターンシップの成果を共有させる指導」が二六・五%などとなっている。

 生徒の成果では「進路意識を明確にすることができた」が七六・六%、「自己の個性や適性を把握し、自己理解を深めることができた」が六六・二%で、いずれも前年度よりやや減少。

 生徒に関する課題としては「正しい勤労観や職業観を身に付けることができたかの把握」「高校のインターンシップと小・中学校で実施されている職業体験との差別化」などが挙げられたほか、事後指導にかかわる教職員の負担が指摘された。

 受け入れ事業所側の課題として「日程が短いため、仕事のよさを十分伝えることができていない」「実施時期が繁忙期と重なることで対応が厳しくなる」「意欲の低い生徒、積極的に質問や行動ができない生徒が多くなっている」などが挙げられた。

(道・道教委 2018-02-07付)

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