３０年度教員研修計画案―道教委　マネジメント力育成に重点　教員育成指標踏まえ方針設定

（道・道教委 2018-02-26付）

　道教委は、三十年度北海道教員研修計画案をまとめた。教員育成指標で示す資質・能力の向上、求める教員像の実現を図るため「キャリアステージに応じた学びや成長を支える教員研修の実施」など五つの基本方針を設定。三十年度の重点として、初任段階教員研修における学習指導や生徒指導、管理職を対象とした研修における組織マネジメント能力の育成の重点化などを挙げている。

　教育公務員特例法の一部改正に基づき、道教委は昨年十二月、教員がその職責、経験、適性などに応じて身に付けるべき資質・能力を示す教員育成指標を作成した。

　教員研修計画は、指標を踏まえ、本道の教員一人ひとりがキャリアステージに応じた資質・能力の育成・向上を図ることができるよう、体系的・効果的に教員研修を実施するために策定するもの。

　計画は毎年度策定。道費負担の公立小学校等の校長、教員などを対象とする教員研修が対象となっている。

　計画の基本方針として、①キャリアステージに応じた学びや成長を支える教員研修の充実②本道の教育課題などに対応する専門性や実践的指導力を高める教員研修の充実③効果的・効率的な校内研修と教員の自律的、主体的な研修への支援の充実④広域分散型の本道の特性に応じた教員研修の充実⑤効果的・効率的で質の高い教員研修を推進する研修体制の充実―を設定。

　各方針のもと、具体的な推進方策を定めており、①では初任段階教員研修から始まる十項目の研修体系を示すとともに、重点的に育成・向上を目指す資質・能力を提示。②では、教育課程などに関する研修、新学習指導要領への対応、生徒指導などの教育課題研修、地域や学校の中核となる教員を育成する専門研修の充実などを挙げた。

　③では、メンター方式を取り入れた校内研修や小規模校間・校種間連携による合同研修の推進、講義動画や研修資料の作成・配信など校内研修の推進に向けた支援、学び続ける教員のための自主研修への支援に取り組むとしている。

　④では、ＩＣＴを活用した遠隔研修やオンデマンド研修の充実、他管内の教員とともに学び、高め合う研修の充実を掲げた。

　⑤では、教員の負担などを考慮した効果的・効率的な研修の実施方法の工夫改善、主体的・協働的な学びの要素を含む研修方法の質的な転換、大学など関係機関と連携した研修方法の工夫改善などを示した。

　また、三十年度の研修推進の重点を整理。小学校段階を含むプログラミング教育に関する研修を実施するほか、初任段階教員研修における学習指導や生徒指導、管理職研修における組織マネジメント、時間管理や健康安全管理などのマネジメント能力の育成に関する研修内容の重点化などに取り組むこととした。

　今後、道議会の議論などを経て、年度内をめどに決定する予定。

(道・道教委 2018-02-26付)