石狩市教委の30年度教育行政執行方針 プログラミング教育を推進 義務教育学校新設へ方向性示す(市町村 2018-03-02付)
石狩市教委・鎌田英暢教育長
石狩市教委の鎌田英暢教育長は二月二十三日、第一回市議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校のプログラミング教育推進に向けて、出前授業の内容を深化させるほか、教員の指導力を育成する研修を実施する考えを表明。小学校の外国語教科化に備え、外国人指導助手(ALT)の活用や英語の免許をもつ教員による巡回指導を行うことも示した。このほか、厚田地区に新設する義務教育学校やスクールソーシャルワーカーの増員、小・中学校におけるアレルギー対応食の提供について説明した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼自ら学ぶ意欲を育てる教育
▽確かな学力を育む教育
各学校では引き続き、学校改善プランを策定し、指導を改善・充実するとともに、社会に開かれた教育課程の編成によって学校・家庭・地域などが連携した取組を推進する。
また、花川北地区では、学校力向上に関する総合実践事業に引き続き取り組むとともに、その成果の普及に努め、花川南地区においても質を一層高める「授業改善等支援事業」を進める。
続いて、二年後の小学校外国語の教科化に備え、ALTの一層の活用や英語の免許をもつ教員による巡回指導を実施。
つぎに、小学校におけるプログラミング教育について。市内に拠点をもつデータセンター事業者の協力を得て二十九年度から行っている出前授業をさらに一歩進んだ内容にするとともに、教員の指導力を育成する研修も実施する。
また、これまで、北海道開発局と協力して、本市を題材とした防災教育の教材を作成してきたが、市内の三校において教材を使った「一日防災学校」を行う。これらのほか、新指導要領に基づいて、土曜授業を実施する。
▽子どもの総合支援
スクールソーシャルワーカーを増員し、担当校区を決めて定期的に学校を訪問する。これによって、子どもや家庭が抱えるいじめ、不登校、その他の問題を早期に把握してその解消に努めるほか、市教委に配置する臨床心理士の知見を活用し、市福祉部局とも連携しながら、学校と一体となって取り組む体制を構築する。
▽一人ひとりのニーズに合わせた特別支援教育
支援が必要な子どもたちに対しては、早期から一人ひとりに応じた途切れのない支援を行うため、関係機関と連携しながら、就学前からの教育相談を実施。入学後は、個別の教育支援計画を充実させ、きめ細かな支援を行う。また、教職員などの研修会の実施や地域理解を深めるための特別支援教育サポーターの養成など、子どもたちへの支援の輪が広がるよう努める。
▽魅力ある学校づくり
学校における働き方改革では、学校閉庁日の設定やQ―U検査のコンピューター診断を実施するなど、教職員の負担軽減を一層進めるよう取り組む。
現在、統合に向け準備を進めている石狩・八幡地区の小学校と厚田地区の義務教育学校については、統合校の教育課程やカリキュラムの在り方など地域の方々の意見も踏まえながら検討を深め、コミュニティ・スクールやふるさと教育など、地域の特色を生かした新しい学校をつくっていく。
特に、厚田地区については、現厚田中学校校舎を解体し、新校舎の建設に着工するとともに、新年度から配置教員が減ることによる教育環境への影響を心配する地域の声を尊重し、望来小学校の厚田小学校への統合を先行するよう取り進める。
▽安心・安全でよりよい教育環境の整備
小学校入学に際しての保護者の負担軽減を図るため、就学援助の入学準備金の支給を前倒しをする。
石狩地区の小・中学校を対象に、アレルギー対応給食の提供を開始する。
▼思いやりと豊かな心・健やかな体を育む教育
▽豊かな人間性を育む教育
道徳の時間を基軸とした「考え、議論する道徳科」への転換を図り、家庭や地域との連携を強化するため、保護者などへ道徳授業を公開。心の教育の充実を図り、いじめの未然防止に努める。
また、いじめ問題対策連絡協議会およびいじめ問題調査委員会の二つの組織を設け、新たないじめ防止基本方針にもとづく取組を展開する。
子どもの読書活動を推進するため、ゼロ歳児と保護者を対象としたブックスタート事業、すべての小学校の図書館への学校司書の配置・派遣や学校図書館図書費の増額を継続。加えて新年度は中学校を担当する学校司書を新たに配置し、巡回によって中学校図書館の整備を進める。
▽心身の健やかな成長を促す教育
体力向上のために、新体力テストの全学年実施や各学校独自の「一校一プラン」を実施するほか、市内のスポーツクラブとの協働で、小学校で放課後の子どもたちに多様な運動メニューの実技指導や食育指導を行う放課後すこやかスポーツ教室を継続する。
▽地域全体で子どもを守り育てる体制づくり
新一年生を迎える年度当初からの交通指導を徹底するほか、子どもたちが危険を予測し、自らの身を守るための交通安全教育の推進に努め、交通事故の防止に継続して取り組む。
▼地域で学び・育ち・活きる教育
▽石狩文化の継承
北海道百五十年の節目に、俳句の楽しさや素晴らしさを後世まで伝えるため、子どもを対象として、俳句教室や吟行、俳句相撲などのイベントを開催するとともに、小・中学校の授業でも活用できる『俳句ガイド』を発行する。
また、歴史的価値の高い石狩小学校円形校舎の跡利用については、検討委員会を立ち上げて検討を開始する。
(市町村 2018-03-02付)
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