芽室町の30年度教育行政執行方針 外国語指導助手を増員 少人数学級を小5・6年に拡大
(市町村 2018-03-13付)

1芽室町武田孝憲
芽室町教委・武田孝憲教育長

 【帯広発】芽室町教委の武田孝憲教育長は二日、町議会三月定例会において三十年度教育行政執行方針を説明した。小学校の外国語活動について「新学習指導要領への移行を円滑に進められるよう、外国語指導助手を一人増員し、小学校教員の外国語活動の指導力と英語力の向上を図る」との考えを表明。また、少人数学級編制について、学力向上などの教育効果を高める取組を推進するため、三十年度から小学校第五学年および第六学年にも拡大し実施する方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学びの基礎づくり

▽確かな学力の育成

 小学校の外国語活動については、引き続き外国語指導助手を各学校に派遣するとともに、新学習指導要領への移行を円滑に進められるよう、外国語指導助手を一人増員し、小学校教員の外国語活動の指導力と英語力の向上を図る。

 毎年度、実施している全国学力・学習状況調査の結果から明らかになった成果と課題を踏まえ、各学校で組織としての学校力を発揮し、継続的な検証改善サイクルによる授業改善に努めるとともに、子どもたちの発達段階や学習課題などに応じて、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得および授業と連動した家庭学習の定着化を図る。

 読み書き支援スクリーニングについては、引き続き小学校第一学年と第二学年で行うとともに、特別な配慮や支援を必要とする児童生徒に対しては、教育活動指導助手や学校支援員を継続配置し、町の発達支援システムにおける町長部局との連携を強化するなど、特別支援教育の充実を図る。 また、幼稚園・保育所、小・中学校間の連携については、子どもたちの学びの連続性を図るため、「保育と教育の架け橋を創るカンファレンス」や「小・中学校連携」の取組を推進する。

 二十七年度から小学校第三学年および第四学年で実施している少人数学級編制は、個に応じたきめ細かな指導、児童一人ひとりの発言・発表の場の増加、教室内の学習環境の充実によって、学力向上など教育効果を高める取組を推進するため、三十年度から小学校第五学年および第六学年にも拡大し実施する。

 大学等奨学金貸付については、新入学生に対する入学前貸付の実施によって、入学時の一時的な出費の負担軽減を図るとともに、通年で受付・貸付ができるよう制度改善し、利便性の向上を図る。

▽豊かな心の育成

 三十年度から、小学校で導入される「特別の教科 道徳」については、学校の教育活動全体を通して、生命の尊さや思いやりの心、規範意識などについて、考えを深めるとともに、答えが一つではない道徳的な課題に子どもたち一人ひとりが向き合い、考え、議論する道徳教育の充実に努めていく。

 また、自分の存在や価値を肯定する感情である自己肯定感、自分の存在を価値あるものと受け止められる感覚の自己有用感の醸成については、継続して取り組む。

 いじめや不登校については、未然防止と早期発見・早期解消が重要であり、町や各学校における「いじめ防止基本方針」に基づき、組織的かつ迅速な対応が行われるよう、教育委員会と学校、家庭が連携して取り組むほか、心理状況や学級集団を分析できるハイパーQUテストを実施するとともに、ネットトラブルなど情報モラル教育の充実を図る。

 また、相談業務を担当するスクールライフ・アドバイザーの継続配置や、不登校児童生徒を支援する学校適応指導教室「ゆうゆう」の活用など関係機関と一体となって取り組む。

▽健やかな体の育成

 毎年度実施している全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果による成果と課題を分析し、体育授業や休み時問などにおける基礎体力向上の工夫改善、少年団活動や部活動による子どもたちの体力・運動能力の向上に努める。

 「めむろまるごと給食」は、地元産食材を活用し、本町の基幹産業である農業の大切さと食の安全安心を学び、子どもたちが食に興味や関心を高められる食育活動として継続実施する。

 また、学校給食を活用した栄養教諭による食に関する正しい知識や望ましい食習慣、生活習慣の指導など健康教育を推進するとともに、食物アレルギーなどに対する代替食等の提供と危機管理体制の充実を図り、子どもたちが安心して、楽しく学校生活を送ることができるよう対応する。

▽信頼される学校づくりの推進

 学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めるコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)については、地域における組織や運営体制づくりを行い、三十一年度に体制の整った地域(学校)からの導入に向け進めていく。

 教育公務員としての教職員は、全体の奉仕者として職務を遂行すべき責務を負っていることを自覚し、保護者や地域の信頼を損なうことがないよう、法令などを順守し、一人ひとりが厳正な服務規律の保持に努め、自覚と責任ある教育活動を展開するよう、より一層の危機感をもって指導に努める。

▼生涯を通じての生きがいづくり

▽多様な学習機会の確保・充実

 成人教育講座や高齢者学級を継続するとともに、家庭教育学級への支援や公民館講座など住民の学習機会の提供に努める。

 また、子どもたちを対象とした「わんぱくキャンプ」や「通学合宿めむろ塾」の開催、友好都市や国際姉妹都市との交流体験など、多様な体験活動の機会を提供する。

 さらに、本年開館三十周年を迎える図書館では、ボランティア団体などとの連携を図りながら、図書館講座や講演会などを実施し読書活動を推進する。

▼共助社会の絆づくり

▽地域の連携・コミュニティづくり

 子どもも大人も地域のために自分ができることを認識し、自主的に行動できるよう、様々なきっかけづくりを関連団体などと連携を図りながら取り組む。

 また、地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりを推進するため、家庭・学校・関係団体を含む地域の三者が連携し、教育委員会が提唱する「あいさつ」「親切」「美化」の「三つの心運動」や、青少年の健全育成のための研修会、町民集会などの活動を推進する。

(市町村 2018-03-13付)

その他の記事( 市町村)

余市町30年度予算案 東中の屋上防水に1400万円計上

 【小樽発】余市町は二月下旬、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比四・六%増の八十六億四千万円。うち、教育費は一一・一%減の六億一千二十四万円となった。  主なものでは、中央公...

(2018-03-13)  全て読む

津別町の30年度教育行政執行方針 公設学習塾の通年開設検討 地域ならではのCS推進へ

 【網走発】津別町教委の宮管玲教育長は五日、第一回定例町議会で三十年度教育行政執行方針を説明した。津別高校振興対策として長期休業中に開講している公設学習塾について、通年開設のニーズの把握・検...

(2018-03-13)  全て読む

札幌市教委が1年次宿泊研修廃止 負担軽減へ1日日程に 別日で保護者対応研修など

 札幌市教委は三十年度、一泊二日の日程で実施していた初任段階における研修(一年次研修)の宿泊研修を一日日程で実施することとした。宿泊を伴わないことで教員の負担軽減を図るもの。研修では、野外炊...

(2018-03-13)  全て読む

長沼町の30年度予算 児童館整備に4.4億円 小学校統合へ児童交流事業

 【岩見沢発】長沼町の三十年度予算が決定した。一般会計は前年度当初比〇・九%増の八十一億一千万円。うち、教育費は、九・四%増の十億五千五百万円となった。  新規事業をみると、小学校統合関係...

(2018-03-13)  全て読む

砂川市の30年度予算案 プログラミング教室を開催 新たにALTを配置

 【岩見沢発】砂川市は二月下旬、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比二・九%減の百十七億七千五百万円。うち、教育費は三八・四%減の七億八千五百万円となった。町営野球場改修の終了が...

(2018-03-13)  全て読む

教育研究実践表彰・学校文化活動奨励賞 帯広市教委 2団体・2個人を選出 取組の成果たたえる

 【帯広発】帯広市教委は、二十九年度教育研究実践表彰および学校文化活動奨励賞の受賞者を決定した。教育研究実践表彰において、団体では啓西小学校(小林寛佳校長)、個人では明星小学校の片山剛教諭が...

(2018-03-13)  全て読む

札幌市教委が全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果概要発表 小・男子6種目、小・女子5種目で上昇 全体的に改善

全国体力運動習慣調査結果  札幌市教委は八日、市における二十九年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果の概要を発表した。小学校男子は六種目、女子では五種目が前年度の得点を上回るなど、全体的に子どもの体力が上昇・改善...

(2018-03-12)  全て読む

網走市30年度教育行政執行方針 校務支援システムを導入 CSで地域に開かれた学校へ

網走市三島正昭  【網走発】網走市教委の三島正昭教育長は二日、市議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。コミュニティ・スクールの導入を促進し、地域に開かれた信頼される学校づくりに努めていく方針...

(2018-03-12)  全て読む

札幌市小学校外国語活動研究部が研修会 英語専門教師など200人参加 授業充実に向けて研鑚

札幌市英語専門教師研修会  札幌市教育研究推進事業の小学校外国語活動研究部は六日、市内ちえりあで小学校英語専門教師配置事業にかかる研修会を開いた。市内の英語専門教師など約二百人が参加。講演や意見交換を通して、外国語活...

(2018-03-12)  全て読む

沼田町の30年度予算案 〝沼田学園〟をスタート 学習補助へAIロボ導入

 【岩見沢発】沼田町は二月二十三日、三十年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比三・五%減の四十六億九千万円。うち、教育費は五〇・七%減の一億八千四百万円となった。旧中学校解体の終了が大...

(2018-03-12)  全て読む