札幌市の環境教育基本方針改定版骨子案 環境保全を実践する人材育成 未就学児や大人も対象に(市町村 2018-04-03付)
札幌市環境局は、環境教育基本方針改定版の骨子案をまとめた。基本理念に「環境保全を、自らの課題としてとらえて積極的に実践する人を増やす」を掲げ、幼稚園における活動などについて記載。また、生涯にわたって環境学習を支援するため、子どもだけではなく大人にも取組を推進していくことを示したほか、同局による教員向け研修の実施などを盛り込んだ。三十一年三月に方針を策定する予定だ。
市では、環境に配慮した行動が社会全体に定着し、次世代に継承されていくことをねらって環境教育・学習基本方針を八年に策定。十九年には、環境問題を取り巻く状況が変化する中で環境教育の重要性が高まったことから、環境教育の一層の推進を図るため同局と札幌市教委が共同で方針を改定した。
二十九年度で方針の上位計画となる市環境基本計画の期間が満了。今月中に第二次環境基本計画(=第二次計画)が策定されることや、学習指導要領が改訂されたことなどから、再び方針を改めることとした。
骨子案では、第二次計画の方向性のうち、環境施策の横断的・総合的な取組の推進において、幅広い世代への環境教育・学習の推進が掲げられていることから、現行方針で子どもを重点化対象に限定している部分を変更。子どもだけではなく大人にも環境問題への認識を広げ、環境保全に関する行動を促す取組を進める。
また、大人への取組を拡充することなどから〝教育〟より主体的に学ぶ意味に近い〝学習〟という言葉を使用し「環境教育・環境学習」と併記することとしている。
基本理念について「都市と自然の共存や積雪寒冷地という札幌の特徴を生かしながら、次世代の子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な社会の実現に向けて〝環境保全を自らの課題としてとらえて積極的に実践する人を増やす〟」と定義。環境教育・学習の対象分野を「大気・水・土壌その他の環境の保全」「低炭素社会」「環型社会」「自然共生社会の実現」の四つに分類した。
取組の方向性には、環境問題・保全について、①関心をもつ・理解する②考える・実行する③リードする・広げる―人を増やすことを掲げた。具体的な取組については、学校で行われる環境教育の支援策として、学校と環境保全アドバイザーなどを仲立ちするコーディネート機能の充実や、外部専門家派遣支援制度の推進などを提示した。
また、環境局による教員向け研修についても記載。新学習指導要領で示されている持続可能な社会の担い手を育てていくことに対応するため、持続可能な開発目標(SDGs)などの基本知識を習得することを目的としている。
このほか、幼稚園や保育所において環境保全意識を育てる活動を行うことで「よい生活の習慣化に大きな影響を与える」と記載。未就学児にも環境教育に関する活動を行っていく必要性を記した。
今後、同方針の推進委員会や関係部局などと協議を重ね、パブリックコメントを経て、三十一年三月中に方針を策定する見通しだ。
(市町村 2018-04-03付)
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