厚沢部町30年度教育行政執行方針 厚沢部小でCSスタート 学校閉庁日の検討・実施へ
(市町村 2018-04-03付)

厚沢部町教委鈴木聡
厚沢部町教委・鈴木聡教育長

 【江差発】厚沢部町教委の鈴木聡教育長は、三月上旬の町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。中学校の修学旅行費用を全額町が負担するほか、厚沢部小学校でコミュニティ・スクールをスタートさせると表明。また、児童生徒の様子を各小・中学校でホームページやブログを開設して情報発信するほか、フッ化物洗口の全校実施、がん教育の推進、学校閉庁日の検討・実施などに取り組む考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

▼安心・安全で、信頼される学校づくりの推進

 三十年度から厚沢部小でコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)をスタートさせる。

 三十年度は、統合中学校としての新生厚沢部中学校が開校する。統合中学校の円滑な経営・運営と、輝かしい新たな校風と歴史を築いていけるよう、教育環境の整備をはじめ、支援の充実を図る。

 各小・中学校において、ホームページまたはブログを開設し、児童生徒の活動の様子を発信する。加えて、各校の管理職にメールアドレスを付与し、迅速で効率的な連絡調整を図る。

 フッ化物洗口については、三十年度、すべての小中学校において実施し、今まで同様、歯と口腔の健康づくりに努めていく。

 がんについての正しい理解や、がんと向き合う人々に対する共感的な理解を通して、ほかの様々な疾病の予防や望ましい生活習慣の確立などを目指し、関係機関と連携・協力し、がん教育の推進に努めていく。

▼確かな学力の向上と学習環境の充実

 一定の成果がみられる全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、各学校の学校改善プランをもとに、主体的・対話的で深い学び〝アクティブ・ラーニング〟の視点に立った学習指導の一層の充実を図っていく。

 町教育研究会、町へき地・複式教育研究会、南部三町教育研究会などとの連携・協働を進め、町の児童生徒の現状と課題を共有し、課題解決と確かな学力向上のための手立てを講じていく。

 少人数指導教員や退職教員などの人材を導入し、TTによる学習指導や、習熟度別学習指導などの多様な学習形態を取り入れ、効果的な学習指導の展開を図る。

 町内全校に配備された実物投影機などのICT機器を活用した授業設計など、子どもたちにとって分かりやすい指導技術の向上と改善を図っていく。

 小学校における外国語(英語)指導については、新学習指導要領を踏まえた上で、中学校との連携を図りながら、町内全小学校で先行的に実施していく。

▼豊かな心とたくましい体を育む教育

 本年度から、厚沢部中の修学旅行と創造の翼中学生国内派遣研修を一本化し、旅行費用の全額を厚沢部町が支援する新生厚沢部中修学旅行として実施する。これは、通常の修学旅行にはみられない遠距離研修地での体験活動を通して視野を広げ、豊かな感性を養うことを可能にし、さらには、家庭の経済的負担を大幅に軽減できる。

 当町単独の総合給食センターでは、栄養教諭を配置し、各小・中学校の給食や高齢者への配食を行っており、四月からは各保育所にも温かくておいしい給食を提供する。

▼一人ひとりのニーズに応える特別支援教育の充実

 本年度は、特別支援学級を小学校三校に八学級、中学校に三学級を配置し、特別支援教育支援員も全小学校に配属することで、様々な障がいを抱える児童生徒に対し、きめ細かな学習活動上のサポートを可能にする特別支援教育の充実を図っていく。

▼教職員の資質・能力の向上と働き方改革

 校内研修体制の整備・確立を促進し、校外での各種研究会等へ積極的に参加できる環境づくりに努める。

 学校における働き方改革の一環として、教職員の休暇取得を促して負担軽減や心身のリフレッシュを図ることを目的に、本年度から、長期休業中に一定期間学校を閉める学校閉庁日の検討・実施に取り組む。

 国や道の動向を把握し、校長会と密な連携を図りながら、部活動休養日や定時退勤日の確実な実施、変形労働時間制の検討・改善等、時間外勤務縮減にかかる取組を推進していく。

(市町村 2018-04-03付)

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