道中・橋本会長のあいさつ概要 つなげ合い 新たな道を(関係団体 2018-05-07付)
会員に協力を呼びかける橋本会長
四月二十七日にホテルライフォート札幌で開かれた道中学校長会の第九十一回総会・研修会における橋本直樹会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
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本年は、我々が暮らすこの地が北海道と命名され百五十年という節目の年に当たる。先人が積み重ねた歴史に想いをはせ、その遺業に感謝しながら、その財産を引き継ぎ、未来へとつなげていく、そのようなふるさとへの想いを新たにする年といえる。
道中学校長会も、数年にわたり進めてきた組織体制改革の節目の年を迎える。これまで、札幌の校長先生に担っていただいていた道中会長を含め、五役のうち三人が本年度から札幌以外で担っていくこととなった。
新たな組織で道中をスタートさせる年として、北海道に思いをはせるのと同様に、先達が積み重ねてきた道中の歴史をしっかりとつなげながら、未来へと新たな道を拓いていかなければならない。これまで以上に「オール北海道」「チーム北海道」として強固に手をつなげ進んでいきたいと、強く思っている。
以上のことから、昨年度のスローガン「つなぎ合い 前に進む 道中」を土台として、本年度は「つなげ合い 新たな道を拓く 道中」というスローガンを掲げさせていただいた。皆さんの支援、協力をお願いしたい。
つぎに、本年度の本会の活動を推進するに当たり、四点について述べさせていただく。
一点目は、「新学習指導要領の趣旨の共有と実施に向けた取組」について。
昨年三月に新学習指導要領が告示され、昨年度は、周知に向けて各地区、各学校で様々な取組がなされたと思う。本年度も、各学校ごと、すでに教育効果を高めるカリキュラム・マネジメントを実践するとともに、社会に開かれた教育課程の理念を踏まえ、子どもたちがアクティブ・ラーナーとなり得る授業改善によって、主体的・対話的で深い学びの実現を目指していることと思う。
小学校で完全実施された道徳科や小学校外国語の状況を注視しながら、その学びを中学校にしっかりとつなげていけるよう、新学習指導要領の趣旨をさらに職員で共有し、移行期間の確実な取組や次年度からの道徳科の完全実施に向け、自校の教育活動を今一度見直し、課題と改善策をより明確にしながら実践を積み重ねていくことが重要だと考える。
また、併せて、私たち自身も主体的・対話的で深い学びの機会をもち、アクティブ・ラーナーとして学校改善に寄与できる校長であらねばならないと考えている。そんな大きな学びの機会でもある、九月に開催される第六十回道中学校長会研究大会十勝・帯広大会の成功に向けて、参加者の力を結集し、実り多い大会にしていきたいと考えている。協力をよろしくお願いする。
二点目は、「いじめ・不登校への対応と命を大切にする指導の推進」について。
ことし二月、北海道いじめ防止基本方針が改定された。各学校でも、改定を受け自校の学校いじめ防止基本方針の見直しを図り、保護者、地域への周知に取り組んでいることと思う。
いじめは、どの生徒にも生じ得ることという認識に立ち、ささいな変化や兆候を見逃さず、緊張感をもって積極的に認知することが求められている。また、不登校についても、早期からの支援が重要であるという認識に立ち、要因を的確に把握し、学校や家庭、関係機関が情報を共有し、組織的・計画的に取り組むことが求められている。
安心で安全な学校を目指すためにも、教職員が生徒としっかり向き合い、一人ひとりの変化を全職員で共有し、様々な情報を保護者・地域と共有・連携・協働できる、そういった基本的な部分を大切にした学校づくりを目指したい。
併せて、スクール・カウンセラーやスクール・ソーシャルワーカーなどの外部人材の活用に加えて、次年度から道徳科となる道徳の授業を充実させた豊かな人間性の育成にも、しっかりと取り組まなければならない。事案によっては、その背景が複雑化してきている時代だからこそ、教職員とともにしっかりと認識を共有し、学校改善に取り組んでいきたいと思う。
三点目は、「時間外勤務縮減に向けた取組の推進」について。
ことし三月、取組期間を三十二年度までの三年間とした学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」が策定された。それを受けて、市町村によっては、実情に応じた行動計画などをすでに策定し始めたところもある。各学校でも、自校の取組状況を再確認し、全職員の共通理解のもと、関係機関と連携しながら、主体的に取組を推進していくことが求められている。今後、各学校での実践を交流し合いながら、よりよい推進策を探っていきたいと思う。
四点目は、「信頼される学校づくりの一層の推進」について。
信頼される学校づくりを進める上で、教員一人ひとりの資質・能力の向上の果たす役割が極めて大きいといえる。ことし三月、新しい北海道教育推進計画との整合を図りながら北海道教員研修計画が策定された。本道でも、五年後の三十五年以降に大量退職の時期を迎えることを見据え、教員一人ひとりのキャリアステージに応じた育成・向上が図られるよう、養成段階からの指標が提示されている。この施策を有効に活用していくことはもちろん大切だが、OJTのある職場づくりに私たち校長が積極的にかかわる必要があると思っている。また、昨年度も、教職員による不祥事を根絶することができなかった。飲酒運転やわいせつ行為、体罰事故や金銭事故など、信用失墜行為が決して起きない職場環境づくりも、私たち校長会に突きつけられている重要課題であるという認識を共有したいと思う。
結びになるが、少子高齢化がますます進み、人口減少社会に突入していく今、私たち校長は、学校教育が北海道の今後の発展の基盤となるという認識のもと、その充実、課題解決に向かい、全力で取り組むことが必要である。
そのためにも、全道すべての地区が強固につながり合い、「オール北海道で道産子を育てる」という意識がさらに大切になってくると考える。各地区、各学校、現状や課題に違いはあるだろうが、「チーム北海道」として様々な思いを共有し、全会員が主体意識をもって道中の新たな道を拓いていけるよう、協力をお願いする。
(関係団体 2018-05-07付)
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