道小・道中・道公教が文教施策要望　働き方改革など推進を　道教委に要望書と提言書提出

（関係団体 2018-05-10付）

左から村上学校教育監、稲上会長、本間会長、橋本会長

　道小学校長会・道中学校長会・道公立学校教頭会は八日、道教委に『北海道文教施策・予算策定に関する要望書』を提出した。道小の本間達志会長、道中の橋本直樹会長、道公教の稲上敏男会長が道教委を訪問し、村上明寛学校教育監に要望書を手渡した。授業時間数の増加に見合った教員数の確保など人的配置、学校における働き方改革のより一層の推進を中心に求めた。道小と道中は「本道教育の一層の充実に向けた教育条件の整備についての提言～チーム北海道として」を併せて提出。公費負担によるＡＬＴの配置の充実、小学校における英語を指導できる教員の確保や専科教員の増員、中学校における免許外担当の解消などを提言した。

　要望書は、三十一年度の文教施策・予算策定に当たって、①学校経営の一層の充実と教育課程の推進および教育条件の整備・改善②教職員の資質の向上を図る研修の促進と内容の充実、強化③意欲をもって職務に専念できるよう、教職員の地位および待遇の改善④教職員の福祉および再雇用や退職後の生活安定の確保⑤国、道の施策として関係諸機関への働きかけ―の五つを柱に設定。

　①では、「子どもと向き合う時間の確保にかかわる諸問題の取組や学校における働き方改革のより一層の推進」「新年度スタート時の加配・期限付教諭の確保および産休・病休などに伴う臨時的任用職員の確実な配置」「副校長などの新たな配置および主幹教諭の配置増による学校組織体制確立およびそのための条件整備」などを求めた。

　教育課程の編成・実施、充実のための条件整備に向けては、授業時間数の増加に見合った教員数の確保、英語、理科など専科指導のための正規教員の加配や講師などの人的配置、コミュニティ・スクール導入や小中一貫教育を円滑に推進するための支援などを要望した。

　また、通常学級における特別支援教育支援員の整備、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充、部活動指導員導入に伴う諸条件の一層の整備促進、学校の調査事務の一層の整理・削減などを求めた。

　②では、教員免許更新時講習・中堅教諭等資質向上研修対象者が複数いる学校への柔軟な対応、後補充の非常勤講師の確保など教職員の研修促進、指導力向上制度の効果的な運用などを提示。

　③では、校長定年延長の早期実現に向けた制度の構築、校長採用、教頭昇任の意欲を喚起する精査を踏まえた条件整備、教職員給与の改善などを要望した。

　また、道小と道中が共同で提出した「本道教育の一層の充実に向けた教育条件の整備についての提言～“チーム北海道”として」では、新学習指導要領の趣旨を生かした授業構築に向けて「すべての教科等や諸課題に関する資質・能力に共通する三つの要素の再整理」など三点の検討項目を提示。教材研究や校内研修の時間の確保と研修参加への環境づくりの促進、公費負担によるＡＬＴの配置の充実や小学校における英語指導教員の確保、情報機器の整備と教育環境格差の解消などを提案した。

　「チームとしての学校」の実現に向けては、管理職の補佐体制充実のための加配措置拡充による主幹教諭の配置の促進、学校と地域との連携を推進する地域連携担当職員の導入などを挙げた。

　要望書と提言書を受け取った村上学校教育監は、内容を十分に検討し、六月にも回答する意向を示した。

　また、校長会や教頭会とのさらなる連携を深め、実効性ある取組を進めていくとした。

(関係団体 2018-05-10付)