内田洋行がコラボでトークショー 北海道150年事業特別企画 今、子に伝えたいことは(関係団体 2018-06-13付)
子どもたちに伝えたい北海道の歴史や文化、魅力などについて意見を交わした
㈱内田洋行(東京、大久保昇社長)は九日、札幌市内のユビキタス協創広場U―calaで、北海道150年事業特別企画「北海道150年、今、学校で伝えたい北海道」を開催した。小学校長・教諭、学芸員、編集者によるトークショーを行い、北海道の子どもたちに伝えたいことや北海道の魅力について考えた。
道の展開する「北海道150年事業」の協賛・パートナー企業である同社が、同事業と、道開発局が展開する「ほっかいどう学」との三者によるコラボ企画として開いたもの。
同社が企画・運営している「NEW EDUCATION EXPO」札幌セミナー(実行委主催、六~九日)とのタイアップ企画でもあり、トークショーには教職員、教育関係者ら五十五人が参加。EXPOの参加者は三日間で延べ四百四十人に上った。
また、トークショーの様子は、遠隔会議システムを通じ、旭川サテライト会場(旭川工業高等専門学校)にも配信した。
パネリストは、JR北海道車内広報誌のライターとして道内各地を取材しているフリーライター・編集者の北室かず子氏、学校への出前授業や学習用資料作成、授業づくりへの指導助言なども行っている北海道開拓の村学芸員の細川健裕氏、札幌市立緑丘小学校教諭の石本歩氏。
コーディネーターは、道社会科教育連盟委員長を務める、札幌市立屯田小学校長の新保元康氏が担当した。
石本氏は、「子どもたちに北海道と言えば何?と聞くと広い、自然豊か、雪がたくさん降るなどという声が挙がるが、北海道の歴史や人物については全然出てこない。だからこそ、学校で北海道の歴史や、どういう人がどういう思いでつくってきたかを伝えたい」などと考えを述べ、具体的な授業の実践例を紹介した。
官営のビール工場を札幌に設立するよう中央に働きかけ実現させた北海道開拓使・村松久成を取り上げた授業では、子どもたちが北海道・札幌市をつくり上げてきた人物のことをとても喜び、親しみを感じていたことや、「なぜ札幌につくろうとしたの?」「北海道を発展させるため?」「ロシアからの進攻を防ぐため?」「強い国づくりのため?」など様々なことを調べ、多くのことを気づいていった。
石本氏は「一つの授業でも、北海道や北海道の偉人について子どもたちの心は大きく動くのだと感じた」との実感を述べた。
さらに、石本氏は「今、石狩川の治水について授業ができないか考えているが、歴史の授業をつくる上で、ある程度以上のことになると書籍を見てもネットで調べても出てこなくなる。どこで調べたらいいかを知りたい」との課題を示した。
北室氏は「北海道の緑の田園風景は自然ではない。泥炭地に暗渠を埋め、排水設備を整え人が土台をつくったもの。そうした先人の努力や数多い北海道の魅力を伝えたい」と。
細川氏は「地域の歴史を学ぶことはアイデンティティの獲得でもある。道産子として歴史に学び、北海道人としてのアイデンティティを獲得してほしい」「北海道の隠れた魅力として雪や氷に注目してほしい。ただ教科書に載っているものをそのまま授業するのではなく、北海道の要素を関連付けて、子どもが自分にとって身近な、自分に関係のあることだと納得できる授業にしてほしい」などと求めた。
新保氏は「北海道に関する学習の現状は弱いと思う」と指摘。「昔は社会科の授業時間はすごく多かった。北海道の副読本もあった。教科書の中の北海道に関する記述も減っている」「他の都府県では今も副読本があるし、四~六年生までの三年間使うものや、オールカラー百六十四ページという立派なものもある」と、特に副読本の必要性を訴えた。
また「ほっかいどう学をもっと学んでほしい。学校でもその他の機会でもいい。他の府県が十六個も入る広大な北海道、たくさんの宝をもっている北海道について学び、〝北海道人〟という意識をもってほしい」との願いを語った。
◆遠隔交流授業7月24日に
㈱内田洋行は、北海道150年事業として、七月二十四日に札幌市立屯田北小学校と旭川市立陵雲小学校を遠隔会議システムでつないだ遠隔交流授業を実施する。
「私たちが考える北海道150年」をテーマに、おのおのの地域の歴史や地理など北海道の魅力をICT機器を使用しながら学び、子どもたちが北海道150年を振り返り考察する。
同社では「今一度私たち道民や子どもたちが北海道の歴史や魅力を再認識し、北海道に対する知識・愛着を高める機会になれば」と話している。
(関係団体 2018-06-13付)
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