高校での遠隔システム活用へ　実現に向け検討スタート　委員会初会合開き事業概要を共有―札幌市教委

（市町村 2018-10-15付）

協力企業が導入機器で実現可能な取組などを紹介した

　札幌市教委は十日、市内ＳＴＶ北二条ビルで第一回市立高校における遠隔システムを用いた学校間連携・授業連携の在り方検討委員会を開いた。事務局が事業の概要などを説明。委員は協力企業による遠隔システムを用いた実践可能な取組の紹介などを通し、実施に向けて理解を深めた。

　市では、二十九年三月、市立高校の在り方を示す市立高校教育改革方針を策定。各校が様々な施策に取り組んでいる。

　市教委では、今月、市立高校の教育活動をさらに充実させるため「市立高校における遠隔システム実証実験を用いた学校間連携・授業連携の在り方検討事業」を開始した。

　事業の実施に向けて、各市立高校から選出した教員で構成する検討委員会を設置。パイロット校を複数校指定し、委員が実践可能な取組などを提案し協議することとしている。

　パイロット校には、協力企業から無償で借用したタブレット型ＰＣ端末二十台などを配置。映像のリアルタイム配信・受信による連携した取組を行う。

　この日、はじめに濵野貢副委員長（市立札幌新川高校副校長）があいさつ。事業を通し「面白い試みができるのでは」と述べ、委員の「柔軟な発想と豊富な経験に期待している」と話した。

　続いて、教育課程担当課の幸丸政貴高校担当係長が事業の概要や今後の流れを説明。

　新学習指導要領で示された「社会に開かれた教育課程」の実現に向け、ＩＣＴ機器や遠隔システムを用いた学校間連携などの取組を行うことで「将来の教育活動が、さらに幅が広がるようになるかどうかを検証したい」と話した。

　続いて、日本マイクロソフト(株)の佐藤正浩初等中等教育ＩＣＴソリューション担当部長が導入機器で実践可能な取組について、事例をもとに紹介。一方の会場から映像を流すといった授業だけでなく、生徒が問題を解く過程などが把握できる双方向の授業が可能となっていることなどを、実際に機器を使用しながら解説した。

　今後、検討委員会では、委員が導入機器を実際に使用する機会を設ける予定。また、実践可能な取組について協議を進めていく。

(市町村 2018-10-15付)