高校新学習指導要領説明会開く―札幌市教委 総則改正の要点など確認
(市町村 2018-10-18付)

市教委高校教育課程地方説明会
70人が参加し、新学習指導要領総則について理解を深めた

 札幌市教委は十月上旬、市立札幌開成中等教育学校で三十四年度から施行となる高校の新学習指導要領総則に関する説明会を開いた。同校の教員七十人が参加。現行の学習指導要領からの変更点や、総則改正の要点などについて理解を深めた。

 説明会は、文部科学省が各教育委員会で実施することを求めている高校の新学習指導要領に関する地方説明会の一環として開かれたもの。新学習指導要領の総則について、周知・徹底を図ることを目的としている。

 市教委では、市立札幌開成中等教育を皮切りに、各市立高校を回り、十一月までにすべての市立高校で説明会を開くこととしている。

 この日、教育課程担当課の幸丸政貴高校担当係長が「高校新教育課程について~三十年三月告示高校学習指導要領“総則”」と題して、改訂の基本方針や要点について解説した。

 幸丸係長は、新学習指導要領総則や、解説総則編における構成の変更点を説明したほか、総則改正の要点として、育てる資質・能力を明確にした教育目標を掲げた上で「総合的な探究の時間」「教科等横断的に資質・能力を育成すること」「初等・中等教育を見通した教育活動」に取り組む重要性を挙げた。

 また、三十一年四月から道徳教育の計画立案などを中心的に行う道徳教育推進教師を位置付けることを紹介。「公共」「倫理」「特別活動」を中核として、学校全体で指導改善を図っていく必要性を強調した。

 教育課程について、学習指導要領に基づき、身に付けるべき資質・能力を明確にした学校教育目標の達成に向け、組織として編成し実践していくことが求められていることを伝えた。

 授業改善に向けては、主体的・対話的で深い学びを実現するため、単元などにおいて「生徒が考える場面」「教師が教える場面」などを、どのように構成するのかを設定する重要性を伝えた。

 また、今回新たに示された総則第五款「生徒の発達の支援」について、ホームルーム活動がガイダンス機能、カウンセリング機能の充実に欠かせないものとし、生徒指導を教育課程の全領域で行うことを求めた。

 キャリア教育については、進路指導との混同や職場体験活動などの固定的な活動だけに終わることがないよう注意喚起。指導方法に関し、グループ指導や個別指導、一斉指導を使い分けるなど、個に応じた指導方法や指導体制を確立する必要があることを説明した。

 このほか、新学習指導要領解説の総則編について「すべてのベースになる部分。一度は読んで、内容を把握してほしい」と呼びかけた。

(市町村 2018-10-18付)

その他の記事( 市町村)

上川管内オリパラ教育拠点校の取組 スポーツの意義や価値学び 拠点校・士別中と協力校5校

士別市教委オリンピック教室  【旭川発】士別市立士別中学校(文仙敏宏校長)は、オリンピック・パラリンピック教育推進事業の拠点校として、協力校五校とともに、オリパラ教育に取り組んでいる。八月下旬には、士別中と協力校の士別...

(2018-10-19)  全て読む

札教研事業秋の研究集会―札幌市教委②グループで理解深める

札教研・中学校数学部  札幌市教委は十六日、市内の各学校などで三十年度札幌市教育研究推進事業(=札教研事業)の秋の研究集会を開いた。国語や算数・数学、社会のほか、外国語活動、道徳など各教科等の研究部において、会場...

(2018-10-19)  全て読む

札教研事業秋の研究集会―札幌市教委④ 自ら考える授業を展開

札教研・中央小  札幌市教委は十六日、市内の各学校などで三十年度札幌市教育研究推進事業(=札教研事業)の秋の研究集会を開いた。国語や算数・数学、社会のほか、外国語活動、道徳など各教科等の研究部において、会場...

(2018-10-19)  全て読む

教員の業務改善事例集作成―函館市教委 勤務時間意識した働き方を 市立校・園へ配布、HP掲載も

函館市教委実践事例集  【函館発】函館市教委は、教職員の働き方に関する取組の推進に向け『教職員の業務改善に向けた取組事例集』(A4判、六ページ)を作成した。業務に専念するための環境整備や、部活動および勤務時間を意...

(2018-10-18)  全て読む

胆振東部地震受け七飯町教委 大沼地区の小中4校統合 大沼中活用し32年度開校目指す

 【函館発】七飯町教委は九月の北海道胆振東部地震の発生を受けて、町内の大沼地区にある大沼小学校、東大沼小学校、軍川小学校の三校を大沼中学校と統合する方針を示した。統合校は大沼中の校舎を使用す...

(2018-10-18)  全て読む

3定札幌市議会決算特別委ダイジェスト(30年10月16日)

◆効果的な事例共有へ 学用品など重さへの配慮  三定札幌市議会第一部決算特別委員会(十六日)では、児童生徒の携行品にかかる取組についての質疑が行われた。   市教委では、文部科学省の通知...

(2018-10-18)  全て読む

高校生などの通学交通費助成事業―札幌市教委 9月末で870人が申請

 札幌市教委が本年度から実施している札幌市高校等生徒通学交通費助成事業の申請者数は、九月末現在で八百七十人となった。石狩管内の高校などに通う市内在住の生徒に、通学に要する交通費のうち、月一万...

(2018-10-17)  全て読む

安平町補正予算 教育施設災復に45・6億円計上

 【室蘭発】安平町は九日、四十八億三千八百十三万円を追加する三十年度一般会計補正予算を専決処分した。北海道胆振東部地震の災復費として四十五億六千四百七十三万円を計上。このうち教育関連では、公...

(2018-10-15)  全て読む

むかわ町補正予算 災復費29・3億円、施設復旧工事を

 【室蘭発】むかわ町議会は十日、災害復旧事業を中心とした補正予算の専決処分を承認した。災害復旧事業費が含まれる一般会計の補正追加額は、三号議案一億六千二百三十三万円、四号議案九億二千五百三十...

(2018-10-15)  全て読む

高校での遠隔システム活用へ 実現に向け検討スタート 委員会初会合開き事業概要を共有―札幌市教委

市教委遠隔システム検討委  札幌市教委は十日、市内STV北二条ビルで第一回市立高校における遠隔システムを用いた学校間連携・授業連携の在り方検討委員会を開いた。事務局が事業の概要などを説明。委員は協力企業による遠隔シス...

(2018-10-15)  全て読む