上川管内オリパラ教育拠点校の取組 スポーツの意義や価値学び 拠点校・士別中と協力校5校
(市町村 2018-10-19付)

士別市教委オリンピック教室
桧野さんは自身の競技人生について語った

 【旭川発】士別市立士別中学校(文仙敏宏校長)は、オリンピック・パラリンピック教育推進事業の拠点校として、協力校五校とともに、オリパラ教育に取り組んでいる。八月下旬には、士別中と協力校の士別南中学校(田中明人校長)で、日本オリンピック委員会主催のJOCオリンピック教室が開かれた。ボブスレーのオリンピアン・桧野真奈美さんを教師役に、生徒が実技、座学に臨み、スポーツの意義や価値を学んだ。

 事業は、道教委が国の委託を受けて本年度の新規事業として実施するもの。指定を受けた拠点校では、担当教員がオリンピック・パラリンピック教育の考え方について理解を深めるため推進会議に参加し、指導方法などを研究。児童生徒に、運動を通したスポーツの意義や価値などを学ぶ学習を提供する。協力校は、拠点校の取組に協力し、連携を図る。

 士別市内では、拠点校に士別中、協力校に士別南中、上士別中学校、多寄中学校、朝日中学校、士別小学校が指定された。

 八月下旬には日本オリンピック委員会主催のJOCオリンピック教室を士別中で開催。協力校から校長・教頭が参観した。

 オリンピックの出場経験をもち、トリノ大会で十五位、バンクーバー大会で十六位など活躍した桧野さんが教師役を担当した。

 前半は体育館で授業を実施し、桧野さんがオリンピックに関する意義やそこで得られるエクセレンス・フレンドシップ・リスペクトといった三つの価値について説明したほか、ラダーを使ったトレーニングを行った。

 また、一人が紐の輪を体に通し、もう一人がマットに座った状態で紐を持って引っ張ってもらうトレーニングを実施。生徒たちは二人一組で協力して速さを競い、バランスを保ってゴールを目指した。時折ミーティングの時間を設けて改善策を話すなど、ベストを尽くすために取り組んでいた。

 後半は教室で座学。桧野さんは、中学一年生のときに左足にけがをして習っていたスケートを諦めた経験、高校で始めた陸上で足の靭帯を切り、競技を諦めなければならなかった状況を説明。「好きなものができなくなくなる瞬間は悲しかった」と振り返った。

 ボブスレーを始めたことについて、大学生のときに先輩から誘われたのがきっかけで、「人生は一回切り。やらないで後悔するより、やって後悔しようと思った」と話した。

 当時から続けていることとして、先輩と同じ実力を付けるためにもチームメイトよりも一回多く腹筋をしていたことや、一㍍多く走っていたことなど「小さな努力の積み重ねが大事になってくる」と伝えた。

 生徒たちは、桧野さんの話に耳を傾け、オリンピック競技の選手としての覚悟や、目標を達成するための努力する姿勢などについて理解を深めた。

 なお、協力校の士別南中でもJOCオリンピック教室が開かれた。

(市町村 2018-10-19付)

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