札教研事業秋の研究集会―札幌市教委③主人公の立場を自分事に(市町村 2018-10-19付)
真壁教諭は主人公のずるさについて意思表示させる活動を実施
札幌市教委は十六日、市内の各学校などで三十年度札幌市教育研究推進事業(=札教研事業)の秋の研究集会を開いた。国語や算数・数学、社会のほか、外国語活動、道徳など各教科等の研究部において、会場ごとに授業公開や講演などを実施。教職員の資質向上や教育の充実・向上を図った。
◆西・手稲区 小中合同道徳研究部 前田中
西区・手稲区の小中合同道徳研究部の会場となった前田中学校(三浦正志校長)では、一年二組「人間として生きる喜び」(真壁佑輔教諭)の授業を公開。資料中の主人公の立場を自分事としてとらえさせる場面を設定し、生徒の道徳的価値に関する考えを深めさせた。
同部では、研究主題を「考え議論し深く学ぶ道徳学習の在り方と評価」と設定。研究の視点に、①「対話的で深い学び」の実現②「学習状況や道徳性」にかかる個人内評価の在り方―の二点を据え、研究を進めている。
授業のねらいは、主人公が弱さ・醜さを克服し、生きる喜びを見いだした姿を通して、人間には弱さや醜さを乗り越える心があると理解し、よりよく生きようとする意欲を養うことと設定した。
真壁教諭は、はじめに本時のテーマとして「よりよく生きるとは何だろう?」を提示した。読み物資料『銀色のシャープペンシル』の内容について、登場人物の構造図を用いて説明。生徒の関心を高めた上で、資料を朗読した。
資料の内容は、主人公が拾ったものを自分のものとして使っていると、友達の卓也から「自分のではないか」と指摘され、別の友達に大きな声で「とったのか」とからかわれたことで「買った」とうそをつく物語。拾ったものを黙って返したあと、卓也から「疑ってごめん」と謝られたことで、主人公が卓也の家に向かう姿が描かれている。
朗読後、「買った」と言ったときの主人公の気持ちについて問いかけ、「ばれるとまずいと思った」などの生徒の意見を共有した。また、生徒に主人公の“ずるさ”を六段階で評価させる活動を実施。「そうでない」をゼロ、「ずるい」を五として、ゼロから五までの数字を板書し、生徒に数字の上にネームプレートを貼らせ意思表示させた。
二を選んだ生徒から「みんなの前でからかわれたら正直に言えない」といった意見を引き出すなど、意思表示させる活動を通し、自然に主人公と自分を置き換えられる場面を設定した。
続いて、主人公が卓也の家に歩き出した場面について「心の中がどのように変化したのか」と発問。生徒の考えをワークシートに書かせたあと、全体交流した。生徒の「ずるさをごまかし、正当化していることに気が付いた」「今後を変えていきたいと思った」などの意見を板書してまとめた。
また、主人公の心の弱さなどにふれ「心の弱さを乗り越えるために必要なこと」を問いかけた。生徒の「今後、同じことを繰り返さない気持ち」などの意見を取り上げ、自分の弱さなどを乗り越え、よりよく生きる喜びについて理解させた。
(市町村 2018-10-19付)
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