札教研事業秋の研究集会―札幌市教委④ 自ら考える授業を展開(市町村 2018-10-19付)
中里教諭が「明治の国づくりを進めた人々」を指導
札幌市教委は十六日、市内の各学校などで三十年度札幌市教育研究推進事業(=札教研事業)の秋の研究集会を開いた。国語や算数・数学、社会のほか、外国語活動、道徳など各教科等の研究部において、会場ごとに授業公開や講演などを実施。教職員の資質向上や教育の充実・向上を図った。
◆中央区小学校社会研究部 中央小
中央区小学校社会研究部の会場となった中央小学校(林貞年校長)では、同校の中里彰吾教諭が六年二組社会科「明治の国づくりを進めた人々」を指導。児童は、明治政府が行った施策や世の中の様子の変化を考え、明治維新を機に欧米の文化を取り入れながら近代化を進めたことを学んだ。
同部の研究テーマは「わかる・できる・楽しい“授業づくり”の充実」。視点①子ども自ら考え、判断し、表現する学習活動②自分への自信をもたせるきめ細かい指導―の二点を重点とし研究を進めている。
公開授業は八時間扱いの五時間目。本時の目標は、明治政府が日本で三番目に北海道に鉄道を敷設した意図を考える活動を通して、殖産興業・富国強兵によって近代化を進める国づくりにおいて北海道の開拓が重要だったことを理解すると設定した。
児童は前時までに、日本が欧米の文化や技術を取り入れて近代化したことや、欧米諸国に追いつき追い越せるよう様々な国策を行ったことを学んでいる。
授業では、はじめに中里教諭が東京や大阪、小樽の人口や当時の風景写真を提示。大都市と小さな町を対比させた。その上で、鉄道敷設の順番について、人口が少なく、町の規模も小さい小樽が三番目だったことを伝え「明治政府は、なぜ日本で三番目の鉄道を北海道につくったのか」と本時の課題を提起した。
児童たちは「幌内炭鉱の石炭を運ぶため」「貿易のため」「石炭を工場に運ぶため」などと発表。中里教諭は鉄道によって開拓が進み、人口が増え、経済活動の進展とともに地域が発展していくことを伝え、殖産興業・富国強兵という政策のもと“明治政府は欧米諸国に負けない国づくりのために鉄道をつくった”という考え方に導いていった。
また、岩手県釜石の鉄鉱山を例に、同じような考え方ができることにも気づかせた。
(市町村 2018-10-19付)
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