道教委30年度道教育功績者表彰 受賞者の功績(道・道教委 2018-10-22付)
道教委が決定した三十年度道教育功績者表彰受賞者(十八日付1面既報)の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
▼畠山佳幸(六〇)=岩見沢農業高校長
昭和六十一年以来、主に本道の農業教育に携わり、乳牛の多頭飼育と草地改良によって学校農場の整備・充実を進めたほか、食品科学分野においては、食品製造装置の導入や先進的な視点で教育課程への位置付けを図るとともに、高校教育のみならず地域活性化へも連動させ、専門的立場から地域特産物の開発などに取り組むなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
学校経営においては、産業教育として農業の技術・技能習得の向上と、農業を通じて学ぶ命の尊さ、生きる力の涵養に努め、特に、平成二十九年度に学校長として赴任した岩見沢農業高校においては、文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクールなどを活用した魅力ある教育課程を編成し、科学的視点を重視した農業教育を推進するとともに、全国の農業高校に先駆け、国際水準のGAP認証取得や国際的な取引を学習するプロジェクトを進め、全道のみならず全国の農業高校のモデル校として、その取組を波及させるなど、その実績は高く評価されている。
さらに、全国農業高校長協会理事や道高校長協会農業部会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼高橋和明(六〇)=拓北養護学校長
昭和五十八年以来、本道の特別支援教育および教育行政に携わり、特に、肢体不自由教育において、障がいの重度化、多様化する現状を押さえた実践研究などを行い、その成果を児童生徒の指導に生かすとともに、広く発信するなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
教育行政においては、道立特殊教育センター肢体不自由・病弱教育室長および生涯学習部小中・特殊教育課指導主事として、養護学校における医療的ケアの実施の普及・啓発に尽力し、全道における特別支援教育の発展に大きく貢献した。
また、学校教育では、肢体不自由教育を中心に、専門性を高め、児童生徒の「命輝く瞬間」を大切にした教育に対する強い情熱のもと、児童生徒が主体的に取り組める教育活動など児童生徒一人ひとりの良さに着目した学校経営に尽力し、その実績は高く評価されている。
さらに、全国特別支援学校肢体不自由教育校長会理事や道特別支援学校肢体不自由教育校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼中村等(五九)=新ひだか町立高静小学校長
昭和五十七年以来、本道の小学校教育に携わり、特に、地域資源を活用した教育活動において、地域人材を外部講師として活用した地元特産の農作物の栽培や収穫等を通じた探究的な学習、アイヌ文化に関する学習など、地域に根ざした体験的な学習を通して、児童の学習意欲の向上や課題解決力、表現力の育成に顕著な成果を上げるなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
また、心豊かにより良く生きようとする児童の育成のため、道徳の授業改善と研修の日常化による道徳教育の充実に取り組むとともに、自ら学び、自ら考える子どもの育成に向け、すべての教科等の指導において、課題把握から課題解決に至る学習過程を重視した授業改善を進めるなど、その実績は高く評価されている。
さらに、道小学校長会理事や日高地区校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼片桐由博(五九)=函館市立柏野小学校長
昭和六十年以来、本道の小学校教育に携わり、特に、教育相談分野において、教育相談の理論と手法を工夫するなど、学校現場のニーズをとらえた研究の推進や継続的研修に努めたほか、函館市教育相談研究会会長として、今日的な教育課題であるいじめ・不登校に焦点を当て、一人ひとりの子どもに応じた学校教育相談の在り方を追求するため、関係機関と連携し、教諭の資質向上を図るなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
また、学校経営においては、教職員の連携と協働によるチームとしての学校力を高めるとともに、重点教育目標の徹底を図り、教育活動に関する評価・検証・改善システムの確立、学びのプランの改善など、多様な実践を進めることで教職員の意識改革につなげるなど、その実績は高く評価されている。
さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼蓮本裕一(五九)=函館市立深堀中学校長
昭和五十六年以来、本道の中学校教育および特別支援教育に携わり、特に、国語教育においては、高い専門性と優れた実践力をもって、その充実・発展に力を尽くし、後進の育成においても秀でた指導力を発揮したほか、道徳教育においては、生徒の内面に根ざした道徳性の育成を目指すため、アクティブ・ラーニングを取り入れ、「考え議論する」授業を充実させ、道道徳教育研究大会函館大会においては、会場校として全学級で公開授業を行い、大会の成功に寄与するなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
また、学校経営においては、授業後の研究討議を必須とし、主題に基づいた全員の授業交流の推進や教員全員の授業公開など、教員の資質向上に尽力したほか、「地域とともにある学校づくり」を目指し、地域住民・保護者と連携し、積極的にコミュニティ・スクールを推進し、函館市内の中学校の円滑な学校経営に貢献するなど、その実績は高く評価されている。
さらに、全日本中学校長会理事や道中学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼川島政吉(六〇)=旭川市立知新小学校長
昭和五十七年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、特に、理科教育においては、理科教育センター研究員の経験を生かし、優れた研究実績を上げ、道理科教育研究大会では助言者を務めるとともに、ソニー科学教育研究会北海道北支部支部長として理科教育をけん引するなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
教育行政においては、根室・上川教育局の教育支援課長等として、管内教育の発展を目指し、教育課程、学習指導その他学校教育に関する専門的事項について、校長・教頭を中心に適切な指導を行い、活力ある学校経営を実現した実績は高く評価されている。
また、教職員の経営参画意識の高揚や、教育活動の実施に必要な地域人材や教育資源を活用し社会に開かれた学校づくりに手腕を発揮する一方、公開研究会やほっかいどう学力向上推進事業等を通じ、教員の資質・能力向上に大きく貢献した。
さらに、道小学校長会理事や旭川市小学校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼長谷川敏之(六〇)=留萌市立留萌小学校長
昭和五十六年以来、本道の小・中学校教育に携わり、卓越した識見と指導力をもち、複式校における一人ひとりの個性や能力を伸ばす学習指導の在り方、マルチメディア交流授業、チーム・ティーチングの活用等の分野で先進的な実践に努め、成果を全道規模の研究大会で公開授業を通じて普及させるなど、本道教育の充実・発展に尽力した。
また、学校経営においては、マネジメントサイクルによる学校改善の取組によって学校の組織力を高めたほか、人材育成を目的とした「教師力向上グループ」を学校組織に位置付け、若手教員や将来のスクールリーダーの計画的育成を目指し、全教員による検証授業や放課後テーマ別研修を実施するとともに、毎年、公開研究会の場で実践発表するなど、その実績は管内における先進的な教育実践として、高く評価されている。
さらに,道小学校長会理事や留萌管内小中学校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼河原英男(七一)=遠軽町教委教育長
平成十七年以来、本道の教育行政に携わり、特に、同年十月の町村合併直後の教育長として「地域の子どもは地域で育てる」という信念のもと、合併前から取り組んでいた「小・中連携教育」を「小・中・高連携教育」に拡充し、さらに二十五年度からは「小・中・高・大連携教育」を始動し、児童生徒、学生、小中高大の教員が一堂に会する交流事業を実施するなど、学校教育の充実・発展に尽力した。
また、学校に対する信頼は、校長・教頭をはじめとする教職員の育成なくして実現できないとの思いから、一貫して人を育てることに情熱を傾け、教師の各種研修への支援に積極的に取り組むなど、その実績は高く評価されている。
さらに、道町村教育委員会連合会理事やオホーツク管内教育委員会協議会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼宝輪博継(五九)=清水町立清水中学校長
昭和五十七年以来、本道の小・中学校教育に携わり、特に、数学教育においては、生徒の学習状況をもとに個に応じたきめ細かな指導の研究・実践に取り組み、学力の向上に成果を上げたほか、赴任した町村では積極的に教育研究所員を務め、教科指導資料の作成や社会科副読本の作成などに尽力するとともに、全国公立学校教頭会研究大会において提言発表を行うなど、意欲的な教育活動の推進によって、本道の教育の充実・発展に尽力した。
学校経営においては、地域に開かれた学校を目指し、平成十六年当時から学校ホームページの開設や、地域住民・保護者と連携・協働した教育活動を積極的に行うとともに、教職員の知恵と実践の結集に尽力し、教職員の指導力の向上に努めたほか、キャリア教育の視点から教育課程や教育活動を見直すなど組織的・系統的にキャリア教育を推進し、社会的・職業的自立に向け必要となる能力や態度の育成を図るなど、その実績は高く評価されている。
さらに、道中学校長会理事や十勝小・中校長会会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
▼森敏隆(六〇)=釧路市立釧路小学校長
昭和六十年以来、本道の小学校教育および教育行政に携わり、特に、特別活動や社会教育の分野において、確かな理論と豊富な実践研究に基づいた教育実践に取り組み、全道規模の各種研究大会で発表を行うとともに、後進の育成に力を注ぐなど、本道の教育の充実・発展に尽力した。
また、学校経営においては、深い造詣と教育に対する強い情熱をもとに、チーム学校の実現に向け組織的な学校経営や校内研修の充実による教職員の資質・能力の向上を図るとともに、地域との連携・協働においては、保護者、地域と連携した毎月一回の体験活動に取り組み、その活動は、平成十五年度に優良PTAとして文部科学大臣表彰を受賞したほか、地域住民と教職員の協働体制の構築に努め、その取組を広く発信し、釧路市におけるコミュニティ・スクールの基盤づくりを推進するなど、その実績は高く評価されている。
さらに、全国連合小学校長会理事や道小学校長会副会長等の要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。
(道・道教委 2018-10-22付)
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