函館市が総合教育会議開く すべての子の学び保障 教職員業務改善など協議
(市町村 2018-12-04付)

函館市総合教育会議
来年度の重点事項を協議した

 函館市は十一月中旬、市役所で市総合教育会議を開いた。工藤壽樹市長と市教委の辻俊行教育長、教育委員四人のほか、市教委の管理職が出席。教育委員会における来年度の重点取組事項「学校を核とした地域づくり」「教職員の業務改善」「すべての子どもの学びの保障」の三点についての説明が行われ、就学援助の拡充や校務支援システムの導入などが方向性として示された。

今回の会議には、本通中学校の風間和夫校長と桔梗小学校の佐々木正幸校長が出席。現場での取組や活動について報告した。

 はじめに、工藤市長があいさつ。「一人ひとりが市に定住するために教育の重要性はとても高い。今後は人口減少を見通した政策が必要になる」と強調。その上で、「教育にもスリムな社会の実現に向けた人材育成と教育が必要。人づくりの観点から優秀な人材を育てていきたい」との考えを示した。

 つぎに、市教委の沢田紀之学校教育部長が来年度の重点事項を説明。「学校を核とした地域づくり」「教職員の業務改善」の二つを継続事項として示したほか、様々な環境の影響で困難を抱える子どもたちが等しく学べる環境の整備を進めるため「すべての子どもの学びの保障」を新たな重点事項に設定したことを伝えた。

 引き続き、各事項ごとに協議。「学校を核とした地域づくり」では、コミュニティ・スクール(CS)の導入を推進し、来年度に導入率一〇〇%を目指すことなどを確認したほか、風間校長と佐々木校長が自校の学校運営協議会での活動状況を報告した。

 「教職員の業務改善」では、沢田部長から部活動地域支援者の配置や部活動休養日、学校閉庁日を継続して実施するとともに、校務支援システム導入を進めていく方針が示された。

 委員からは「保護者の学校に対する理解が深まってきている」という意見が出た一方で、「部活動における認識と意識の改善を進めていくべき」という意見が挙がった。

 また、佐々木校長は、日常業務でのICT活用やスクールサポート・スタッフの配置によって、桔梗小では一人当たり週七時間程度、勤務時間の縮減が図られていることを紹介した。

 「すべての子どもの学びの保障」では、①子どもの貧困対策②不安や悩みをもつ子どもへの対応③安全・安心、学力向上―の三点を課題として設定。

 その上で、来年度は就学援助の拡大や小学校の算数における非常勤講師の配置などを継続していくとした。

 会議終了後、辻教育長は「あらためて人づくりに向けた教育を進めていきたい」と決意を述べた。

(市町村 2018-12-04付)

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