研究開発事業「がん教育」―札幌市教委 正しい知識の普及図る 新琴似北小で公開授業(市町村 2018-12-21付)
札幌市教委は十一月下旬、札幌市立新琴似北小学校(小笠原啓之校長)で研究開発事業「がん教育」にかかる公開授業を行った。がんに関する正しい知識の普及啓発等を図るもの。公開授業や研究協議に取り組むなど、がん教育の推進に向けて研鑚を積んだ。
市教委では、本年度新たにがん教育の在り方に関する研究を開始。がんに対する正しい知識や命の大切さに対する理解などを深化させ、がん予防や早期発見につながる生活習慣に資する指導などについて研究を進めている。
公開授業では、新琴似北小の髙橋俊成教諭が五年一組(児童数三六人)の特別活動「ライフプラン」を指導。本時は三時間扱いの二時間目で、目標を「健康について意識し生活習慣についての自分の課題をみつけ改善していきたいことを考える」と設定した。
髙橋教諭はがんや心臓病など、厚生労働省の主な死因別死亡数の割合を提示。生活習慣の乱れによって引き起こされる可能性があることを紹介した上で、生活習慣が乱れると、どのようなことが起こるのか問いかけた。
「病気になる可能性が高くなる」など児童の発言を取り上げた上で、血管の模型を使った高脂血症の実験を行った。
赤い絵の具を溶かしサラサラの血に見立てたもの、ジャムを使用しドロドロの血に見立てたものを使用。血管をチューブとしてそれぞれの“血”をチューブに流すことで、ドロドロの血は血管で詰まり、固まってしまうことを実感させた。
続いて、舘入あゆみ養護教諭が血管で血が固まるとどうなるかについて解説。固まった血がはがれた際に、脳や心臓など細い血管に侵入し、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことを説明した。
また、髙橋教諭は、釧路市が小学校五・六年生七十七人に実施したキッズ検診の結果を提示。七〇・一%が将来糖尿病や動脈硬化が発症する可能性があることを紹介した。要因として舘入教諭が野菜や果物などを食べないことによるビタミン・ミネラル不足のほか、睡眠不足、脂肪・糖分の多い食事を挙げるなど、健康になるため、生活習慣の重要性にあらためて気付かせた。
このあと、これからの未来に向けて今何を気を付ければいいか問いかけた。「野菜を食べる」「みんなで走る」「早めに寝る」など児童の発表から、取組を続けることで健康になり、よりよい未来につながることを伝えた。このあと、研究協議を行った。
(市町村 2018-12-21付)
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