学校法人淳心学園 北海道千歳リハビリテーション学院 次代担うセラピスト養成24年、歴史に幕 30年度卒業証書授与式・開校式を挙行
(学校 2019-03-11付)

千歳リハ閉校式
関係者200人が閉校を惜しむとともに伝統の継承を期待

 二十九年四月の大学設置に伴い入学者募集を停止していた北海道千歳リハビリテーション学院は六日、ANAクラウンプラザホテル千歳で三十年度卒業証書授与式並びに閉校式を挙行。最後の卒業生九十五人をリハビリテーション医療の第一線へと送り出し、二十四年の歴史に幕を下した。閉校式であいさつした伊藤俊一学院長は「今後は、北海道千歳リハビリテーション大学が学院の伝統と実績を継承しながら、これまで以上に発展させ、理学療法士・作業療法士を育てていく」と決意を新たにした。

 学校法人淳心学園(松木謙公理事長)が運営する北海道千歳リハビリテーション学院は平成七年四月、道内初の三年制による理学療法士養成専門学校として開校。十年四月には作業療法士養成の作業療法学科を設置するなど、リハビリ医療のスペシャリスト養成にふさわしい充実した教育指導、学習支援で優秀なセラピストを医療現場に送り出してきた。

 二十九年度までの二十三年間に理学療法士一千二百四十三人、作業療法士六百十五人、合計一千八百五十八人を輩出。実に卒業生の九八・四%(二十九年度卒業生までの実績)が国家試験に合格し、就職率は毎年一〇〇%を達成してきた。最後の卒業生九十五人についても二十五日に発表される国家試験合格を条件に、医療現場の最前線へと歩み出す。

 卒業証書授与式のあとに行われた閉校式には、卒業生九十五人のほか、来賓、教職員、保護者を合わせ二百人が出席した。

 お礼の言葉に立った伊藤学院長は、二十四年間の歴史を振り返るとともに、学院を支えてきた保護者や地域の人々に感謝の言葉を伝え「今後は、北海道千歳リハビリテーション大学が学院の教育目標や伝統、実績を継承しながら、これまで以上に発展させ、理学療法士・作業療法士を育てていく」と決意を語った。

 卒業生に対し「最後の卒業生であることを誇りにこれからのセラピスト人生を力強く歩まれることを期待している」とエールを送った。

 北海道千歳リハビリテーション大学は二十九年四月に開学。四年間を通じて学ぶ「障がい予防リハビリテーション」が大きな特色で、独自カリキュラムにより、地域貢献と地域住民の健康維持・増進を担う新時代のセラピストを養成する。

 大学開学に伴い、三月末をもって二十四年の歴史に幕を下ろす同学院。万全な国家試験対策や卒業生のネットワーク、地域への学校開放事業などの取組はもとより、これまでに築いてきた伝統と実績は、大学へと受け継がれていく。

◆伝統と実績は千歳リハ大に継承

 北海道千歳リハビリテーション学院最後の卒業証書授与式では、三年間の課程を終えた二十歳から三十二歳の九十五人が式に臨みセラピストとして、リハビリテーション医療の第一線へと踏み出した。

 来賓と教職員、保護者が拍手で迎える中、卒業生が入場。続いて、理学療法学科第二十一期生六十七人、作業療法学科第十九期生二十八人の卒業生の代表に、伊藤学院長が卒業証書を手渡した。

 引き続き、松木謙公理事長が式辞。学院で習得した医療の基礎、専門知識・技術に加え「セラピストとして技能面だけではなく、痛める人の心を癒し、他人の身、患者の身になって考えられる医療人にならなければならない」と卒業生に対し、人間性の向上を期待した。

 また、学院を継承する北海道千歳リハビリテーション大学でも卒後教育支援を引き続き行っていくことから「医療現場等で直面する難問や悩みを自分だけのものとせず、いつでも大学に相談してほしい。しっかりと支えていくので安心して目標に向かって進んでほしい」と激励した。

 成績優秀者などに対する各種表彰のあと、卒業生を代表して作業療法学科の長澤茉美さんがあいさつ。仲間と支え合いながら学んだ三年間を振り返り「さまざまな経験を通して一人ひとりが互いを尊重し、認め合えるような仲間になれた」と述べ、自らが成長できたことを強調。これまで支えてくれた仲間や先生、家族に感謝し「今後は、責任と誇りを持ち、誰からも信頼されるセラピストを目指して努力していく」と力強く決意を語った。

(学校 2019-03-11付)

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