道教育大釧路小・中 33年度義務教育学校化に 改革を発信、公立校に応用へ 国立で3例目
(学校 2019-03-19付)

 【釧路発】道教育大附属釧路小学校(内山隆校長)と附属釧路中学校(早勢裕明校長)は、三十三年度に義務教育学校化する構想を打ち出した。リーダー養成カリキュラムを導入し、地域を担う人材育成のため、九年間の連続性をもった協働学習、体系的・教科等横断的な「地域学」などを推進。附属義務教育学校における教育改革を公立学校に応用してもらう考え。国立大学附属小・中学校の義務教育学校化は全国でも例が少なく、実現すれば二十九年度に開校した京都教育大学、福井大学教育学部に続く三例目となる。

 北海道東部には公立義務教育学校が五校ある。今後も増加が見込まれる中、新しい義務教育学校の運営方法や教育課程を考えるモデルとして、附属釧路小と附属釧路中の義務教育学校化を構想。過疎化する小・中学校の統合モデルとして、実践方法を公立学校に提供していくことを目指す。

 義務教育学校化を契機に、次代の担い手としてのリーダー養成カリキュラムを導入。基本方針に「九年間一貫したリーダーシップ・フォロアーシップの育成に取り組む附属義務教育学校」を掲げ、現在地での施設分離型の義務教育学校を想定している。

 構想では、入学者選抜において基本的に学力試験は行わず、前期課程(一~六年生)は一学年二学級、後期課程(七~九年生)は三学級。一~四年生までが学級担任方式、五・六年生が教科担任方式と学級担任方式を併用し、七~九年生は教科担任方式を基本とする。

 九年間の連続性をもった協働学習、体系的・教科等横断的な「地域学」、異学年相互学習、新放課後子ども総合プランを踏まえた放課後子ども支援活動などに取り組む。さらに、大学教員による出前授業や子どもの大学授業参観など、大学と連携して教育課程やマネジメントの高度化を図る。

 また、コミュニティ・スクールのカリキュラムモデルを開発する。すでに、地域の博物館学芸員などと協働で総合的な学習の時間のカリキュラムを実践しており、社会に開かれた教育課程のモデルを示す。

 文部科学省にはすでに構想を説明。文科省は「地域のニーズや本当に義務教育学校化が必要かについて、ともに検討したい」としている。釧路市教委も構想を支援し、継続的に協議していく姿勢。

 附属釧路小と附属釧路中は三十一年度に保護者などへ説明し、三十二年度から新カリキュラムを実施。三十三年度から義務教育学校としてスタートする計画。

 附属釧路小の内山校長は「地域では個々の特性を発揮できる様々なリーダーと、それを支えるフォロアーを育てる必要がある。取組を通して地域に愛着が湧き、自己肯定感が育つようになる」と、新たな附属義務教育学校における教育効果と、教育改革の公立学校への応用に期待している。

(学校 2019-03-19付)

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