高度医ケア児の教育支援―道教委　３１年度巡回相談拡充　特別支援学校および小・中学校へ

（道・道教委 2019-03-22付）

　道教委は三十一年度、高度な医療的ケアを必要とする児童生徒のため、特別支援学校等への巡回相談を検討している。高度な医療的ケア等に対応した校内支援体制充実事業の一環。新規の室蘭養護学校を含む三校をモデル校とし、人工呼吸器の管理を必要とする児童生徒の学習の充実に向けて検討を進める。十二月ころに事業の成果報告会を開催する予定で、授業公開、実践発表、シンポジウムなどを通して校内支援に向けた取組の成果の普及に努める。

　道教委は文部科学省の委託を受け、二十九年度に高度な医療的ケア等に対応した校内支援体制事業を開始。指導医による巡回相談や助言などをモデル校において実施し、特定行為以外の医療的ケアが必要な児童生徒が安全に学校生活を送ることができる校内支援体制の充実を図っている。

　また、事業の成果や国における検討結果をもとに、ことし三月末までに『医療的ケア実施のためのハンドブック（改訂版）』試案をまとめ、三十一年度に完成版を作成・公表する見通し。

　三十一年度のモデル校は札幌養護学校共栄分校、拓北養護学校、室蘭養護（新規）の三校で、人工呼吸器の管理を必要とする児童生徒の学習の充実に向けた検討を進める。さらに、医療的ケアを必要とする児童生徒が通学生として在籍する特別支援学校を研究協力校とし、指導医の連携の在り方を検討する。

　要請のあった特別支援学校に対して、指導医が出向いて巡回相談を実施するほか、小・中学校においては、特別支援学校のノウハウを生かした巡回相談を行うことを検討している。

　このほか、十二月をめどに、拓北養護を会場に成果報告会を開催。授業公開、実践発表、シンポジウムなどを実施する予定となっている。

(道・道教委 2019-03-22付)