道子どもの未来づくり審議会 将来考える機会拡充を 子ども部会が少子化対策提言
(関係団体 2019-04-03付)

道子どもの未来づくり審議会
元岡君(中央)が高橋知事(右)に提言書を手渡した

 道子どもの未来づくり審議会は3月22日、『北海道の少子化に関する提言』を高橋はるみ知事へ提出した。子ども部会の協議をまとめたもので、「若い世代が、自分たちの生き方や将来について考える機会を増やす」など3点を提言。高橋知事は「しっかり政策に反映していきたい」と応じた。

 審議会は、道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例に基づき、社会全体で少子化対策を総合的かつ計画的に推進するため、知事の附属機関として設置。学識経験者や関係団体などの委員で構成し、本道における重要事項の調査・審議などを行っている。

 そのうち、子ども部会は、道内公私立の中・高校、特別支援学校の生徒17人が特別委員に就任。30年度のテーマを「私たちが考える北海道の未来」に設定した。

 昨年8月と12月の2回にわたって、少子化対策の推進について子どもの視点でグループ討議などを実施。現状や課題などについて議論を重ね、意見を集約してきた。

 この日、野村宏之部会長(道社会福祉協議会福祉人材部長)、副部会長の元岡大和君(釧路市立北中3年、当時)が道庁を訪問。高橋知事に提言書を手渡した。

 元岡君が三項目の提言内容について、ねらいや手立てなどを説明。「広く道民に公開し、道の今後の少子化対策に反映してほしい」と要請した。

 高橋知事は「一つ一つが政策のヒントにつながる提言。しっかり政策に反映していきたい」と応じた。

◆子ども部会の提言

 提言内容はつぎのとおり。

【SNS等の積極的な活用や、情報発信方法の工夫によって、行政の窓口や地域の子育てに関する情報にアクセスしやすくし、安心して子育てができる環境づくりを進める】

▼ねらい

▽誰でも気軽に子育ての相談ができる手段を増やしたい

▽多くの人が子育て支援に関する行政や地域の情報を身近に感じられるようにしてほしい

▼手立て

▽子育て中の方々が、気軽に育児の相談ができ、子育てに関する必要な情報がスムーズに得られるようLINEやアプリなどを活用した子育てをサポートするシステムを構築する

▽YouTubeやTwitter等のSNSの活用や、有名人とのコラボ、子どもたちの参画、より分かりやすい行政のホームページの作成などによって、子育て支援に関する情報などを積極的に発信するほか、若い世代も興味をもてるようにする

【若い世代が、自分たちの生き方や将来について考える機会を増やす】

▼ねらい

▽若い世代が自分の将来について具体的なイメージをもてるようになってほしい

▼手立て

▽結婚、妊娠・出産、子育てに関する様々なエピソードなどを集め、若い世代向けにホームページやSNSなどで紹介する

▽中学生や高校生などの若い世代が、学校の授業の中で子育てについて考える機会を増やす

▽近い将来、家庭をもつことについて具体的に考える年代である若手社員などを対象に、子育ての現状や家事・育児参加の大切さなどを伝えるセミナーなどを開催する

【地域における多世代交流などによって、人々が支え合える関係を築き、子育てを応援する地域づくりを進める。また、企業のワーク・ライフ・バランスの取組を推進することにより、子育てしやすい職場環境の整備を進める】

▼ねらい

▽地域住民が互いに顔の見える関係を築き、助け合いや人と人とのつながりを大切にする中で、子育て世帯が抱える様々な負担感を軽減したい

▽働きながら、子育てしやすい企業を増やしたい

▼手立て

▽地域において、子どもから高齢者まで幅広い年代が集い、交流できるイベントを開催することによって、子育て世帯への関心を高めるとともに、住民相互の助け合いの気持ちを育み、高齢者など地域住民による子育て支援のボランティア活動の活性化を図る

▽子育てにかかる費用負担を減らすため、地域住民が、使わなくなった子ども用品などをシェアできるような仕組みを地域で進めることを支援する

▽子育てしやすい職場環境の整備が進むよう、子育て支援やワーク・ライフ・バランスの推進などに積極的に取り組む道内企業の取組などを広く紹介し、魅力ある取組を行っている企業を表彰する

(関係団体 2019-04-03付)

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