ふるさと納税開始―東神楽町 休眠楽器ありませんか 全国2番目 楽器不足解消へ知恵絞る(市町村 2019-04-08付)
【旭川発】東神楽町立東神楽中学校(髙木司校長)吹奏楽部で使用する楽器不足の解消を図るため、東神楽町は民間企業と連携し、4月1日から全国に向けて楽器の寄附を呼びかける「楽器寄附ふるさと納税」をスタートさせた。昨年10月に全国で初めて実施した三重県いなべ市に次いで全国2番目。現在、専用サイトを開設し、全国に向けてフルート、ユーフォニアムなど7種類の楽器の寄附を呼びかけている。
楽器寄附ふるさと納税は、全国に眠る使われなくなった楽器を市町村に寄附することで、楽器が不足している吹奏楽部や小・中学校で再活用する取組。寄附者に対して返礼品は送らず、楽器の査定額が税額控除される「ふるさと納税制度」となる。ただし、地元住民は、寄附はできるものの税額控除は受けることはできない。楽器査定は、町と連携する㈱マーケットエンタープライズが行う。
東神楽中吹奏楽部は、例年50人を超える部員で構成。26年に日本管楽合奏コンテスト全国大会で優秀賞を受賞し、27~30年は北海道吹奏楽コンクールで金賞、31年は第11回ポップスコンクール(北海道)で準グランプリを獲得。日本ジュニア管打楽器コンクールに木管八重奏・金管八重奏・打楽器四重奏で出場するなど、輝かしい成績を残している。
しかし、一方では楽器不足という深刻な課題に直面。使い古した楽器の修理に追われ、また、新しい楽器を購入することが困難で、演奏する曲が限られたという。
このため、課題曲が決まっている大会に関しては、曲によって足りない楽器を近隣の小学校から借りたり、顧問が所有する楽器を活用したりするなどしてきた。
こうした現状を解消し、部活動を充実させるための手立てを模索していた町役場の担当者は、昨年10月に三重県いなべ市が全国で初めて楽器寄附ふるさと納税を始め、半年で180件以上の寄附依頼を受けるほどの反響があったことを知った。町でもこの取組を取り入れる検討を重ね、1日から全国で2番目、道内で初の取組として楽器寄附ふるさと納税を始めることとした。
現在、専用サイトを開設し、運営をスタート。募集楽器は、フルート、ユーフォニアム、クラリネット、チューバ、トランペット、トロンボーン、ホルンの7種類。
町は「全国的に眠った楽器を町で再生することができれば資源の利活用という意味でも良いこと」とし、「使われなくなった楽器を持っている方は、ぜひ、寄附していただきたい」と呼びかけている。
今後、寄附者が現れ次第、寄附者へのコンサートを開催するなど、様々な形で還元が図られるよう、企画を検討していく。
(市町村 2019-04-08付)
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