地域づくりの担い手育成へ　課題と解決策を理解　道教委が社会教育セミナー

（道・道教委 2019-06-07付）

道内各地域の社会教育関係者等が集まった

　道教委は５月３０日から２日間、札幌市内のかでる２・７で道社会教育セミナーを開いた。研究テーマ「地域づくりの担い手育成に向けた行政と住民の連携・協働」のもと、基調講演や研究協議会などを実施。社会教育関係者約２４０人が参加し、地域の生涯学習・社会教育を推進する上での課題とその解決に向けた方策について理解を深めた。

　初日、佐藤嘉大教育長があいさつ。人間関係の希薄化に伴う地域コミュニティの衰退によって、地域社会が大きく変化していることを指摘。「“ひとづくり“つながりづくり”が大きな意義を有し、地域住民の主体的な参画による持続可能な社会づくり、地域づくりが期待されている」と伝えた。

　また、昨年発生した多くの自然災害にもふれ、これまで以上に地域でのつながりや愛着心を育む取組を行う必要性を説いた。

　続いて、文部科学省総合教育政策局地域学習推進課の下田力課長補佐が、昨年末の中央教育審議会答申「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」をもとに、社会教育に関する国の動きを説明した。

　午後からは事例紹介として、パネルトークを実施。

　厚真町、むかわ町、安平町の教育委員会の職員が、昨年９月の北海道胆振東部地震の被災から現在までの様子を報告した。

　続いて、コミプロデザインファシリテーション研究所の三角幸三所長が「防災を起点とした地域コミュニティの形成～地域づくりは、知域づくり・知人づくり・智人づくり」と題して、基調講演を行った。

　三角所長は、避難所を円滑に運営するポイントとして、地域における人とのつながりが大切であるとし、学校と地域の連携、日常の交流や絆づくりが防災教育につながることを強調した。

　２日目は、防災の取組をきっかけとした地域コミュニティの形成についてポスターセッション形式の研究協議を行った。

(道・道教委 2019-06-07付)