千歳市の教育行政執行方針　４年度に新設校開校　一貫教育モデル校区を拡大

（市町村 2019-06-07付）

千歳市教委・宮崎肇教育長

　千歳市教委の宮崎肇教育長は、６日開会の第２回市議会定例会で本年度教育行政執行方針を説明した。過大規模校の状態を解消するため、令和４年４月の北陽小学校分離新設校開校に向けた取組を進めるなど、教育環境の整備を推進する。また、コミュニティ・スクールの全小・中学校への導入に向けて実施学校数を増やすほか、千歳市小中連携・一貫教育推進基本方針に基づき、モデル校区の指定を拡大し、４中学校区・小・中学校１０校において調査研究に取り組む。

　教育行政執行方針の概要はつぎのとおり。

【ふるさと千歳への感謝と希望を育てる】

▼学年・学級経営

　校内生活の決まりの大切さを子どもたちが共有し、互いに支えあい高めあう学級づくりを促進する。

▼教育相談体制

　スクールカウンセラーや心の教室相談員などを配置し、きめ細かな対応を図る。

▼いじめ問題

　学校やいじめ問題等対策連絡協議会と連携するとともに、いじめアンケート調査などを活用し、学校全体でいじめの実態把握や防止のための取組を推進する。

▼不登校対策

　適応指導教室「おあしす」での集団生活における適応能力の向上を図る。

▼学校施設

　ことし３月に策定した北陽小学校分離新設校建設基本構想をもとに、分離新設校の建設に向けて建設用地を取得するほか、基本設計、実施設計、地質調査および外構実施設計に着手する。

▼防災・安全教育

　子どもたちが自ら危険を回避する力を育てるため、災害発生を想定した避難訓練や保護者への引き渡し訓練などを実施する。

▼家庭の教育力向上

　市ＰＴＡ連合会と連携し、各単位ＰＴＡへの普及啓発を行うなど、規則正しい生活習慣や学習習慣の定着に取り組む。

▼地域の教育力向上

　本年度は先行して調査研究を実施した３校の実践をもとに実施学校数を増やし、５月末現在で１４の小・中学校においてコミュニティ・スクールを導入している。

　引き続き、全小・中学校への導入に向けた取組を進める。

▼子どもたちの安全・安心

　千歳っ子見守り隊の取組を推進するなど、子どもたちの安全確保に努める。

【国際都市千歳にふさわしいグローバルな感覚を育てる】

▼開かれた学校づくり

　ホームページ、教育委員会だより『からふる』などを通じて、各学校の様子や行事を積極的に発信する。

▼教員の資質・能力の向上

　各種研修の開催を継続するほか、学校における働き方改革に取り組む。

▼学校間の連携

　義務教育９年間を見通した系統的な教育活動や小・中学校の円滑な接続を図るため、市小中連携・一貫教育推進基本方針に基づき、モデル校区の指定を拡大する。

　本年度は４つの中学校区の小・中学校１０校において調査研究を行う。

▼ＩＣＴ教育

　教員のＩＣＴ機器活用能力の向上を図るため、市教育振興会と連携し、長期休業期間を利用した研修を実施する。

▼外国語教育

　小学校外国語活動巡回指導教員研修事業の成果や、市外国語活動推進委員会が作成した小学校１、２年生の外国語指導計画および指導資料を活用するなど、各校で積極的に校内研修を実施し、教員の指導力向上に取り組む。

【知的な探究心をもち積極的に行動する力を育てる】

▼確かな学力

　習熟度別少人数指導の一層の取組を進めるため、引き続き学習支援員の効果的な活用を図るほか、市学力向上検討委員会による提言などを踏まえた授業改善に取り組む。

▼読書活動

　ちとせっ子読書プランを推進するほか、全小・中学校に配置している学校司書を活用し、学校図書館の充実を図る。

▼体力・運動能力

　新体力テストの実施方法改善に向けた実践協力校の取組と併せて、年間を通した体育授業の改善や運動習慣の定着に向けた取組を進める。

▼学校給食

　適温で牛乳を提供するための保冷庫の整備を進めるなど、学校給食の改善に努める。

▼新学校給食センターの整備

　これまで整理した施設の整備方針などを踏まえ、基本構想の策定に取り組む。

▼特別支援教育

　特別支援教育支援員や児童生徒ヘルパー、医療的ケアを行う学校看護師の配置など、教育環境の整備と教員の負担軽減を図る。

(市町村 2019-06-07付)