稚内市の教育行政執行方針 ALTを積極的に活用 キャリアデザイン策定推進
(市町村 2019-06-25付)

稚内市表純一
稚内市教委・表純一教育長

 【稚内発】稚内市教委の表純一教育長は、17日開会の市議会第3回定例会で教育行政執行方針を説明した。教育連携会議を軸にライフステージに応じたキャリア教育を通じて、稚内を支える地域リーダーや、広い視野に立って世界で活躍する人材を育成するため、稚内キャリアデザインの策定を推進する。また、来年度から小学校において、英語が教科として導入されることから、外国語指導助手を積極的かつ効率的に活用し、子どもたちのコミュニケーション能力を高めていく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【安心して子どもを産み育てられる環境づくり】

▼いじめ・不登校対策

 全国的にいじめが原因とされる悲しい事件が、いまだあとを絶たない状況にあり、引き続き、学校・家庭・地域、関係機関が連携し、情報や課題を共有し、迅速な対応を図っていく。

▼保育所の整備・充実

 本年10月からスタートする幼児教育・保育の無償化に伴い、入所者数の増加が予想されるため、公立・私立保育所の低年齢児の定員の在り方を検討しつつ、保育士の確保に努め、待機児童の解消を図っていく。

 また、3年間休所していた勇知保育所が地域の児童数の増加に伴い、本年4月から再開した。引き続き、地域の子どもや保護者が、安心して子育てできるような体制整備を図っていく。

▼「子ども・子育て支援事業計画」に向けて

 前年度に実施したニーズ調査の結果や、本市の現状と課題などを踏まえ、子育て支援のさらなる充実を目指し、来年度以降からの次期計画の策定に向け取り組んでいく。

【次世代を担う人材の育成と地域とともにある学校づくりの推進】

▼稚内キャリアデザインの策定

 現在の子どもたちは、刻々と変化する先行き不透明な時代を迎え、今何のために学んでいるのか、実感をもてないまま、学校に通っている子どもたちも少なくない。

 このまちの子どもたちにどんな力を身に付けさせるのか、学校と地域が共通理解のもと、子どもを育てていくことが必要であり、このことが学力向上にもつながると考えている。

 教育連携会議を軸に、地域とともに子どもたちがより主体的に将来の夢や希望をもてるよう、ライフステージに応じたキャリア教育を通じて、グローバルな視点をもって稚内を支える地域リーダーや、広い視野に立って世界で活躍する人材を育成するため稚内キャリアデザインの策定を推進する。

▼新学習指導要領における小学校「英語」への対応

 教育環境の充実については、学習指導要領の改訂に伴い、来年度から小学校で英語が教科として導入されることから、道教委が実施する教員の専門性を高める研修会でスキルアップを図るとともに、外国語指導助手を積極的かつ効率的に活用し、子どもたちのコミュニケーション能力を高めていく。

▼教員の長時間労働改善に向けて

 大きな問題となっている教員の長時間労働については、教職員が心身の健康を保持して職務に臨むことができるよう、予防や早期発見・早期治療を基本としたメンタルヘルス対策として、ストレスチェック制度を活用し、未然防止と職場環境の改善を図っていく。

▼幼児教育の推進

 幼児期における教育は、小学校以降の学びの基盤となるものであり、この時期に育んでほしい資質・能力を高めるために、幼稚園・保育所における教育の充実に努めるとともに、小学校教育とも連携しながら、本市における幼児教育の推進を図っていく。

▼学校給食の充実

 給食からの学びと安全安心な学校給食の提供については、郷土や各地域の優れた伝統的な食文化に対する理解、自然の恵みや生産にかかわる人たちへの感謝の思いを育てるとともに、施設や設備の保全・管理を徹底し、安全、安心で栄養バランスの取れた給食の提供に努める。

(市町村 2019-06-25付)

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