十勝へき地複式教育研究大会開く 人間性豊かな子を育成 新得町富村牛小中が授業公開
(関係団体 2019-12-09付)

 【帯広発】十勝管内へき地・複式教育研究連盟(髙充慶委員長)は11月29日、新得町立富村牛小中学校(新倉忠司校長)で第41回十勝管内へき地複式教育研究大会新得大会を開いた。管内小・中学校の管理職や教諭ら約60人が参加。同校の道徳科4授業を公開したほか、実践発表や授業分科会を通して、へき地複式教育における授業づくりやよりよい学級経営の在り方を探究した。

 大会テーマは「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成~児童生徒一人一人が仲間とつながり、地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実をめざして」。

 富村牛小中は、研究主題を「自主的に考え、自分の思いを豊かに伝え合う子どもの育成~道徳科における言語活動の充実を通して」と設定。

 大会では、公開授業や実践発表を通して、①同じ形式の話し合い活動を積み重ねていく道徳授業②9年間を見通したポートフォリオ評価―の成果を発信した。

 この日、小学1・2年生、3・4年生、5・6年生、中学2年生の道徳科4授業を公開。

 うち、3・4年生道徳科「トムラウシ地区のいいところ」は齊藤早苗教諭と大槻泰弘教諭(病弱学級担任)が指導。児童数は3年生4人、4年生1人。本時は2時間扱いの2時間目。内容項目には「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」。

 はじめに、前時の授業を振り返った上で、本時の課題に「トムラウシ地区のいいところをたくさんさがして、山村留学生に教えよう」を提示した。学級の児童のほとんどは山村留学生で、新しく来る山村留学生に教えるという動機付けを図った。

 ここでは、本年度から導入した、提示されたテーマについてできるだけたくさん考え、書き出していき、自分の中で順位を付ける“ランキング型”の授業を展開。

 短冊状になったカードを配布し、地域のいいところを書き込ませた。

 引き続き、いいところを発表させて、ホワイトボードに掲示。他者の考えを聞くことで、多様な考え方に気付かせた。

 「中学年の新しく来る山村留学生に教えたいおすすめポイントを3つ決めよう」と呼びかけ、掲示された意見の中から、外せない3つに絞り込むため話し合い活動を展開。中では、「鹿肉や牛肉がおいしい」「山が間近にある」「広くていっぱい遊べる」など自分の出身地と比べて、トムラウシの好きなところを出し合った。

 このあと、学習を振り返り、トムラウシ地区のためにあしたからできることを考えた。

 このあと、開会式と授業別分科会を行い、へき地・複式教育の振興・発展に向け、意見を交わした。

(関係団体 2019-12-09付)

その他の記事( 関係団体)

道高教組と道教組が道教委に 1年単位の変形労働反対 答弁撤回など2点要求

 道高教組(尾張聡中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は9日、道教委の佐藤嘉大教育長に対し、公立学校教員に1年単位の変形労働時間制を導入しないよう求める緊急要求書を提出した。要求書...

(2019-12-13)  全て読む

「ほっかいどう学」かでる講座 志あるリーダー育成を 北大の松井名誉教授講演

かでる講座志ある若者を育てるには  道生涯学習協会(宇田川洋会長)は10日、札幌市内のかでる2・7で令和元年度最終回となる第10回「ほっかいどう学」かでる講座を開いた。北海道大学の松井博和名誉教授が「志ある若者を育てるには」...

(2019-12-12)  全て読む

公立学校事務職員協会が評議員研 田島会長 職場語れる環境を 来年の研究大会内容等協議

公立事務職員協会評議員研  道公立学校事務職員協会(田島敏明会長)は6日、札幌南高校百周年記念館で本年度第2回評議員研究協議会を開いた。評議員や理事など38人が出席し、来年8月に札幌市で開く第73回研究大会の内容など...

(2019-12-12)  全て読む

札小英研が山の手小で研究大会 英語を通じ世界を広げ 6年公開授業 自身高めスピーチを

札小英研大5回研究大会授業公開  札幌小学校英語活動研究会(=札小英研、会長・類家斉札幌市立山の手小校長)は4日、市立山の手小学校で第5回研究大会を開いた。約180人が参加。公開授業や講演を通じ、言語活動で世界を広げようと...

(2019-12-10)  全て読む

青少年向けバレエ鑑賞 一流の踊りに酔いしれ 札幌市芸術文化財団

青少年向けバレエ鑑賞事業  札幌市芸術文化財団は11月26日、札幌文化劇場hitaruで青少年向けバレエ鑑賞事業を実施した。市内の中学生約2000人が参加。世界で活躍する東京バレエ団のバレエを間近で鑑賞し、一流のダン...

(2019-12-09)  全て読む

公立学校事務長会 新任アンケート 業務多忙等を不安視 3ヵ年調査終了 職責意識高く

 道公立学校事務長会(坂井秀昭会長)は、新任事務長を対象とした事務長の資質向上に関するアンケート調査の結果をまとめた。3ヵ年調査の最終年度として、3年間の結果を比較して整理。事務長になって特...

(2019-12-06)  全て読む

胆振幼小中高一貫教育研究大会開く 佐々木会長 一貫性強化を より良い授業の在り方探る

胆振幼小中高一貫教育研究大会  【室蘭発】胆振管内幼小中高一貫教育研究大会が11月28日、伊達市立光陵中学校などで開かれた。胆振管内幼小中高一貫教育研究協議会(佐々木淳会長)が主催。管内の幼稚園から高校までの教員ら約10...

(2019-12-05)  全て読む

札中放が放送教育研究大会 ICT活用法など学習 2年理科天気予報で災害防止

札幌市放送教育研究大会  札幌市中学校放送教育研究会(=札中放、熊谷誠二会長)は2日、市立札苗北中学校(山田悟校長)で中学校放送教育研究会研究大会を開いた。約20人が参加。札苗北中2年生対象の理科の公開授業のほか、...

(2019-12-05)  全て読む

道評研が札幌で第51回研究大会 指導と評価の一体化を 小松田会長 授業改善の推進要請

道教育評価研究大会  道教育評価研究会(=道評研、小松田靖会長)は11月29日、札幌市内のかでる2・7で第51回道教育評価研究大会を開いた。新学習指導要領のもとでの授業づくりや評価について、実践発表や研究協議を...

(2019-12-04)  全て読む

道中体連が創立60周年記念式典 成長に寄与する部活動へ 藤井会長が決意表明

道中体連創立60周年記念式典  道中学校体育連盟(藤井勲一会長)は11月29日、ホテルライフォート札幌で創立60周年記念式典・祝賀会を挙行した。藤井会長は「部活動が生徒、指導者の成長と前進に寄与するものとなるよう、今後も...

(2019-12-03)  全て読む