札幌市が２年度当初予算案発表　教育費１２％減４１０億　新規に青少年科学館再整備など

（市町村 2020-02-04付）

　札幌市教委は３日、総額１兆６７０８億９４００万円にのぼる令和２年度当初予算案を発表した。一般会計１兆２９５億円のうち、教育費は学校改築費等を元年度補正予算案へ前倒し計上したことによって、前年度予算比１１・９％減の４１０億４０００万円となった。新規事業をみると、青少年科学館の再整備に６５００万円を計上。また、医療的ケアが必要な児童の対応のため、新しく児童会館にも看護師を配置する看護師派遣事業に３１１０万円を充てた。

　教育関係予算の主な事業をみると、中学校修了前の子どもの医療費の一部助成に３６億４６５７万円を積み上げた。これまで未就学児から小学２年生までを助成対象としていたものを、来年度から小学３年生を助成対象に追加。３６億円余りの予算額のうち、２億４８８６万円を小学３年生拡大分に充てているほか、３年度以降は小学４～６年生も助成対象に追加する。

　医療的ケアが必要な児童のための看護師派遣事業には３１１０万円を計上。市立小・中学校１２校にこれまで週１回だった派遣数を週３回に増やすほか、新たに児童会館２館にも週３回看護師を派遣する。

　青少年科学館の再整備費には６５００万円を計上。同館のリニューアルについて４年度の着工を目指し、来年度は展示物および施設設備等の更新・改修に向けた基本設計、受付システムの改修を行う予定。

　教育の情報化推進費には２３億６５００万円を積み上げた。授業用タブレットPCなどの整備やリースの更新のほか、校務用ネットワークにおけるインターネット接続環境の分離などを行う。

　なお、GIGAスクール構想実現に向けた各種事業については今後の補正予算に計上される予定。

　一方、先の元年度補正予算では学校改築費等約９０億５０００万円を措置。２年度当初予算案における教育費は対前年度比１１・９％減となっているが、補正前倒し分を加えると前年度当初予算より増加している。

(市町村 2020-02-04付)