函館市学校施設長寿命化計画案　従来型から長寿命型に　目標使用年数・築後８０年程度

（市町村 2020-02-04付）

　【函館発】函館市教委は、函館市立学校施設長寿命化計画（案）をまとめた。計画期間は令和２年度から１１年度までの１０年間。学校施設の劣化状況を的確に把握し、これまでの建築後６０年程度で改築する建て替え中心の従来型から、適切な改修方法での長寿命化を図る長寿命型に切り替えることで、建築後８０年程度を目標使用年数として示した。

　市の学校施設は、児童生徒の急増期に当たる１９７０年代から１９８０年代に建築された建物が多く、築３０年を経過した建物が全体の約６割を占めている。計画案は、多くの施設が更新時期を迎えることから、平成２８年に策定された函館市公共施設等総合管理計画の方針に基づき、学校施設を対象とした個別施設計画として策定したもの。

　対象施設は、幼稚園、小学校、中学校、高校、共同調理場の８４施設、７１５棟。合計床面積は３４万５５０８平方㍍。

　従来型で算出した今後４０年間の更新経費は総額１３４６億円。計画案に沿った長寿命化改修を行い、目標使用年数を８０年にすることで、更新経費を１１８３億円まで圧縮することになる。

　さらに、小・中学校の再編計画に基づき、再編後の学校施設のみで試算した場合９１７億円となり、当初から大きく縮減できる見込み。

　計画案では、学校施設設備の基本方針として、①多様な学習形態への対応②環境との共生③長期間有効に使うための施設整備―の３項目に重点的に配慮し、チーム・ティーチングによる学習や個別学習などに対応した多目的空間を設けたり、事故防止や維持修繕を容易にし、経年に対する十分な耐用性を確保したりした設計に努めていくとしている。

　長寿命化計画の推進については、日常的な点検や法令に基づく定期点検等の結果によって劣化状況を把握するとともに、劣化状況および修繕・改修履歴を一元的に管理できる仕組みをつくり、事後保全的な修繕から予防保全的な維持・管理への転換を図っていく。

　また、長寿命化改修の実施に向けては、今後５年間を目途に、建築後４０年以上の学校施設の利用状況を見極めるとともに、調査・検討を行っていくことも示されている。

　計画案については、２５日までパブリックコメントを受け付けている。

(市町村 2020-02-04付)