釧路市教委が学力向上セミナー　算数　活用力に顕著な伸び　市標準学力検査の結果分析

（市町村 2020-02-07付）

意見交流する参加者

　【釧路発】釧路市教委は１月３１日、釧路教育研究センターで学力向上セミナーⅢ（小学校）を開いた。市内小学校の教諭など３３人が参加。国語、算数の授業改善のポイントや、昨年１２月に実施された釧路市標準学力検査の結果分析に基づく課題について情報共有した。検査について、国語はどの学年も目標値を大きく上回り、算数は活用する力に顕著な伸びがみられた。

　セミナーは、全国学力・学習状況調査や市標準学力検査などの結果から釧路市における課題をとらえ、国語、算数・数学の授業改善の方向性を明確にし、各学校において指導の充実を図ることを目的に年３回開いている。

　市基礎学力検証改善委員会が示す授業改善のポイントがすべての小・中学校で実践されるよう、３回のセミナーと研修講座「国語教育」「算数・数学教育」の公開授業を一体的にとらえ、授業改善を目指している。

　また、市標準学力検査は、平成２４年度から実施され本年度で８回目。課題の焦点化や要因の分析、改善策等を検討し、各学校が課題意識を共有することで市全体の授業改善に結び付いている。

　セミナーⅢは、中学校国語と数学、小学校の３部会に分けて開催。この日の小学校部会では、前半に国語、後半に算数を扱った。検査の結果分析を中心に、授業改善に向けた課題の焦点化や情報交流などを行った。

　国語では市教委の畠山和彦指導主事、算数では渡部潤指導主事がそれぞれ検査の結果について学年・内容別に解説した。

　国語はどの学年も目標値を大きく上回っており、課題とその要因の分析に基づいた授業改善の成果がみられたことを評価した。また、算数でも多くの学年が目標値を上回った。特に、活用する力に顕著な伸びがみられ、関心・意欲の向上との相乗効果に改善の効果が表れていたことを示した。

　このあとグループに分かれて協議を行い、課題の焦点化や要因の分析、改善策などについて熱心に意見を交換した。

　阿寒小学校の横田亮教諭は「他校の学力向上での様々な取組を知ることができ参考になった。自校でも生かしていきたい」と話していた。

　国語の助言に立った共栄中学校の太田諭教頭は、学力向上の成果が上がっている一因として学校体制の充実を挙げ「課題の焦点化とその改善策が効果的だった。今後は資質・能力が単元内で定着しているか検証する必要がある」と、さらなる成果に期待を込めた。

　算数の助言を行った東雲小学校の片貝卓也教頭も、学校全体で取り組んだ成果と評価した上で「学校が一丸となって授業改善に取り組んでいる。今後も課題を明確にするとともに、学力向上へのプランづくりを全教職員で行ってほしい」と呼びかけた。

(市町村 2020-02-07付)