札幌市小中一貫した教育基本方針　４年度に全面実施へ　パートナー校編成し推進役に

（市町村 2020-02-10付）

　札幌市教委は、小中一貫した教育基本方針をまとめた。中学校区を基本単位に複数の小・中学校でパートナー校を編成し、小中一貫教育を推進。令和２年度から２年間を準備期間とした上で、４年度から全面実施する。パートナー校において、課題探究的な学習と、発達の段階に応じた継続的な子ども理解を柱に、地域や児童生徒の実態を踏まえた創意工夫ある取組を進めるなど、知・徳・体の調和の取れた育ちの一層の充実を図っていく。

　６日の教育委員会会議に市教委が方針案を示し、承認された。

　市教委は、市教育振興基本計画に位置付けている「一貫性・連続性のある教育活動の充実」に向け、市における小中一貫教育の基本的な考え方等について検討するほか、小中一貫した教育についての基本方針を策定するため、検討委員会を一昨年１２月に設置。これまで６回会議を重ね、方針をまとめた。

　方針では、小中一貫した教育の実施に当たっての視点として①９年間を通した子どもの学びのつながり②子ども理解・生徒指導の連続性③教職員の連携・協働④家庭や地域とのかかわり―の４点を示した。

　小中一貫した教育の推進に当たっては、市内９７中学校区を基本に、その中学校に進学する小学校と中学校からなる一つのまとまりであるパートナー校を編成し、このパートナー校を小中一貫した教育推進の基本単位として取組を進める。

　パートナー校では、課題探究的な学習、発達の段階に応じた継続的な子ども理解を柱に据え、地域の実情等に応じて、「９年間の系統性の視点での教育課程のとらえ直し」「学ぶ力や健やかな体の育成プログラムにおける目指す子ども像の共有」「系統性・連続性のある特別支援教育」など、特色を生かした取組を実施する。地域や児童生徒の実態を踏まえた創意工夫ある取組を進めるなど、知・徳・体の調和の取れた育ちの一層の充実を図っていく。

　２～３年度を準備期間とし、４年度から全市立小・中学校で小中一貫した教育を実施する予定。

　また、小中一貫した教育の実施に当たっては、教職員の負担を軽減するため、仮称・小中一貫した教育コーディネーターを配置する。２年度に４８中学校区で、３年度からはその他の４８中学校区で、それぞれ２年間配置する予定となっている。

　平成２８年度に制度化された小中一貫校については、「小学校と中学校の校区が概ね一致している」「子どもが校種を超えていつでも交流できる」「教職員が話し合いや計画づくりなどを日常的に一緒に行える」などの環境が整っている地域において、設置を検討していく。

(市町村 2020-02-10付)