【解説】自治体判断で学校再開も

（コロナウイルス関連 2020-03-03付）

　萩生田光一文部科学大臣は２月２８日の記者会見で、新型コロナウイルス拡大防止のために要請した臨時休校の措置について、学校設置者の判断で３月中に再開する可能性を示した。北海道を例に挙げ「一足先に対応し、一定の収束を確認して児童生徒の安全を確保できれば、期限を切ることは否定しない」と述べた。

　政府は２月下旬、多くの児童生徒や教職員が長時間集まることによる感染リスクに備えるため、全国の小・中・高校・特別支援学校で２日から春休みまで臨時休業を行うよう要請する方針を決定した。

　萩生田文科大臣は記者会見で、臨時休業期間における自宅学習の進め方の具体例を同省Ｗｅｂページに掲載するなど、各種情報を可能な限り伝えていく考えを表明。「児童生徒の学習や家庭の状況を踏まえ、適切な臨時休業の期間を設定し、学習に著しい遅れが生じないよう実施形態を工夫してほしい」と述べた。

　行政機関・民間企業においては、休みが取りやすい環境を整備するよう求めるほか、こうした措置に伴い生じる様々な課題に対し「政府として責任をもって対応する」と述べた。臨時休業の実効性担保のため児童生徒に自宅で過ごすよう指導し、子どもたちが不要不急の外出をしないよう、関係省庁に協力を求めていくとし「全国の教委等と連携し、感染拡大防止に全力で取り組んでいく」と述べた。

　臨時休業の実施期間・形態については、学校設置者の判断を尊重する意向を表明。３月半ばに学校を再開することについて「学校設置者が判断し、合理的な説明があれば否定するものではない」とし、「北海道のように、一足先に対応して一定の収束を確認し、児童生徒の安全を確保できれば、道の判断で期限を切ることは否定するものではない」との考えを示した。

(コロナウイルス関連 2020-03-03付)