学校臨時休業受け札幌視覚支援　オンラインで学習支援　健康確認　保護者から好評

（コロナウイルス関連 2020-03-12付）

　新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う学校の臨時休業が続く中、札幌視覚支援学校（木村浩紀校長）高等部の教諭がオンラインによる学習等の支援を試行した。企業が期間限定で学校向けに無償提供している遠隔授業向けクラウドビデオ会議サービスを活用し、高等部の一部の家庭と接続。６日の朝には生徒と担任らがそろってホームルームを行い、健康状態や連絡事項を確認した。保護者からは、生活リズムの乱れが懸念されていた生徒にとって、良き支援となると好評の声が上がった。

　使用したのは、学校向けに４月３０日まで無償提供されている遠隔授業向けビデオ会議サービス「Ｚｏｏｍ」。経済産業省のホームページ「新型コロナ感染症による学校休業対策」の中で紹介されている。高等部で情報を担当する教諭がアカウントを取得し、オンラインによる学習等の支援を試みた。

　保護者・生徒へ実施について説明したところ、多くの保護者が快諾。了解が得られた高等部の生徒を対象に５日から試行した。

　朝の９時３０分から生徒７人と担任らがクラウド上で一堂に会し、ホームルーム。学校で使用しているタブレットや個人のスマートフォンなど様々な端末から参加した生徒の元気な顔が、分割された画面に映し出された。

　久しぶりに会う先生の顔を見つけて喜ぶ生徒も。背景に好きな画像を選んで参加できるようにするなど、生徒たちのプライバシーにも配慮した。

　担任教諭が「朝ご飯は食べているか」「体温は測ったか」などと健康状態を確認。規則正しい生活を送るよう呼びかけたほか、生徒は、近日中に宿題が届くことや、遠隔ホームルームの今後の日程など連絡事項を確認した。

　画面越しの元気な生徒の姿を一目見ようと、背後から他学部の教員も顔を出して声をかけた。

　保護者からは「生活リズムの乱れの改善につながり、ありがたい」「気持ちが落ちていたが、元気になってよかった」などの声が寄せられた。

　同校は「これをきっかけに、家庭と学校との通信が進展すれば」と今後に期待を寄せている。

(コロナウイルス関連 2020-03-12付)