東川町研究開発学校 3年次報告書②(市町村 2020-03-18付)
【研究の過程】
▼第3年次Globeカリキュラムの実施・評価・改善
▽カリキュラムの実施・評価・改善
・3要素における、幼・小・中・高の円滑な接続の在り方の研究
・コミュニケーション要素における学習内容の小中連携による系統的な指導の実施および5つの領域の言語活動での評価
・中学校における実践的な言語活動を位置付けたカリキュラムの改善および独自教材の開発
▽実践研究発表会(プレ研)の開催
▽幼稚園、小学校、中学校、高校における授業公開
▽評価の実施
・英語能力調査(小学校=GTEC Junior、中学校・高校=英検IBA、自己評価、外部評価、英検IBA等スコア比較、質問紙調査)による評価
▽第3年次の成果と課題のまとめおよび第4年次の計画作成
【評価に関する取組】
▽前年度の各評価(児童生徒、研究推進全体、教員)の継続的な実施および分析
・前年度の各調査における継続的な実態の把握および分析
・英語能力調査(小学校=GTEC Junior、中学校・高校=英検IBA)の実施
▽公開研究会(プレ研)実施による検証
・新教育課程を先行的に実施し、公開研究会を開催することで外部評価によって成果と課題を明らかにし、次年度の改善につなげる。
【研究開発の成果】
▼実施による効果
◇児童生徒への効果
▽幼稚園(年間10回のGlobe)
4歳児からGlobeの活動の中でALTを活用することで、一緒に遊びコミュニケーションを図り、親しみをもって接する子どもの姿が多くなった。
カリキュラムで毎月の活動内容を確認し、ALTと打ち合わせながら進めることで、単語や興味の引き出し方など段階を踏むことができた。
小学1年生との交流では、慣れ親しんだ歌や知っている英単語で色鬼をして交流できた。英単語の発音の仕方など、自ら言ってみる経験を通して、伝え合う楽しさや自信が見られはじめた。
色、食べ物、天気など身近な単語にふれてきたことで、朝の会などの生活の中でも子ども自ら発言して楽しむようになってきている。
▽小学校(低学年35時間、中学年70時間、高学年105時間)
地域および日本(Local)や世界(Global)を扱ったGlobeの授業によって、自分の地域への愛着や外国への興味・関心が高まっている。
それに伴い、「もっと知りたい」「もっと伝えたい」という意欲が高まり、外国の人と積極的にかかわることができた。
コミュニケーションの目的、場面、状況に合った外部人材を前年度より多く活用したことで、前年度以上に英語でのやり取りに抵抗なく取り組むことができるようになった。
▽中学校(全学年160時間)
全学年の年間指導計画(各学年160時間)ができあがり、系統性を意識しながら授業を進めることができるようになった。ALTやCIR(国際交流費)とかかわる場面が増えて、外国人の方へ英語を話す抵抗感が年々なくなってきている。体験活動を取り入れたカリキュラムになり、実体験を伴った学習活動になってきた。
教科担当だけでなく、学年教員や他教科との連携が少しずつ出てきた。教室の中に多くの先生方が入ってくることにも慣れて、学習活動に抵抗なく取り組めるようになり、生徒たちが英語を使って積極的にコミュニケーションを図る場面がより多くなった。
▽高校(第1・2学年150時間、第3学年100時間)
様々な国の人々との交流を多く取り入れたことによって、遠い国のことや問題について身近に感じることにつながった。
幼稚園、小学校との交流などによって、正しく分かりやすく伝えるために必要な知識を習得しようと積極的な生徒も多くなった。
◇教職員への効果
町教委を中心として、町全体(幼・小・中・高校)でカリキュラム開発を行っていることが本町の特徴である。
幼稚園・小学校・中学校・高校にわたる研究開発事業の認識が、教職員に広がっている。
本年度の夏季研修会および冬季研修会では、前年度以上の参加者で臨むことができ、授業を中心に国際教育への意識を高めるとともに、学校種間をつなげ全教職員の共通理解を図ることができた。
◇保護者への効果
国際教育に高い関心をもつ保護者が多い。
小学校では、Globeについて家庭で話題になることが多く、外国の文化にふれる地域行事への参加率も高いことから、Globeへの関心の高さが各家庭にも表れている。
中学校では、わが子への国際教育に関する期待が込められた記述が目立つようになった。
今後、さらに多くの人に新教科Globeに関心をもってもらい、より多くの家庭と連携しながら国際教育への意識を高めていくことができるよう呼びかけていく必要がある。
◇実施上の課題
自国の文化(地域の文化も含む)を知る、理解する時間がもっと必要である。
様々な国の人々とのかかわりや、児童生徒同士のやり取りに苦手意識がある場合の指導方法の工夫が必要である。
Globeは、他教科・他領域とかかわる内容が多い。
教科等横断的な指導を充実させる必要がある。
英語力における児童生徒の差が感じられるので、支援の工夫が必要である。また、Local要素、Global要素、Communication要素をバランスよく組み入れるなど、改善の余地がある。
Globeの指導内容、指導方法、評価方法の在り方について課題がある。研究の方向性をさらに明確にする必要がある。
教職員間のさらなる共通理解・連携が必要である。
(市町村 2020-03-18付)
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