三笠市２年度教育行政執行方針　防災教育教材を作成　幼稚園副食費助成で定住促進

（市町村 2020-03-18付）

三笠市教委・高森裕司教育長

　【岩見沢発】三笠市教委の高森裕司教育長は令和２年度教育行政執行方針で、小・中学校の防災教育教材の作成などを通し、防災意識の向上に取り組む考えを示した。また、保護者が負担する副食費相当分を商品券で助成する幼稚園副食費助成事業を実施。子育て施策の一環として、移住・定住の促進などを図る。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

【幼児教育】

　新たな事業者のもと幼保連携型認定こども園が開設されることから、私立幼稚園の園児がスムーズに移行できるよう必要な支援を進めていく。

　幼稚園副食費助成事業として、移住・定住を促進するための子育て施策の一環と市内経済の活性化を図るため、保護者が負担する副食費相当分を商工会が発行する商品券で助成する。

【学校教育】

　学力向上未来塾推進事業を引き続き実施するとともに、小中一貫コミュニティ・スクールを推進することによって、家庭・学校・地域全体で子どもたちを守り育てる環境の充実に努める。

　また、小・中学校の防災教育教材を作成し、自らの命は自ら守るという防災意識の向上に取り組む。

　英語への興味・関心を高め、実践的コミュニケーション能力を身に付けさせるため、３歳から小学６年生までの親子を対象とした英語教室を継続する。

　吹奏楽指導者招致事業として、札幌交響楽団所属の演奏者を招致し、三笠小学校スクールバンドおよび三笠中学校吹奏楽部の演奏技術の向上を図る。小学生給食費の実質無料化を継続し、子育てしやすい環境づくりを進めていく。

▼特別支援教育

　障がいのある児童生徒の学校生活や学習上の困難な状況に対して支援員を配置するなど、必要な学習の支援を行う。

▼いじめ問題対策

　市子どものいじめ防止等条例に基づき策定した市いじめ防止基本方針によって、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進し、子どもたちが安心して生活し、学ぶことができる環境づくりに努める。

▼教育研究所

　学習指導要領を基本に、市の特色ある教育と新しい学校教育の実現を図るための研究活動を進めていく。

▼市立高校・高校生レストラン

　三笠高校については、食物調理科の特色を生かした教育活動を展開し、卒業後に多様化する社会に対応できる力をもった人材や地域に貢献できる人材の育成に引き続き努めていく。

　また、授業や高校生レストランでの研修を通じ、食に関する高度な専門的知識と技術のほか接客や経営力などを学ぶことによって、社会で活躍できる人材育成を図るとともに、引き続き、各種料理教室のほか、新たに全国の高校を対象とした調理の料理コンクールなどを開催し、食による地域活性化や交流人口の増加に努めていく。

【社会教育】

▼芸術・文化

　市民文化芸術振興条例に基づき、芸術・文化活動を推進するほか、運動公園内に、地元出身者等の絵画などを展示する文化芸術振興促進施設を開設し、市民が広く文化芸術にふれる機会の拡充を図るとともに、高校生レストランの集客力を生かした一体的な取組によって、さらなる交流人口の増加に努めていく。

▼図書館

　子どもたちへの読書案内やボランティアによる絵本とお話の会「かるがも会」などの各種事業を実施するとともに、引き続き、小・中学校へ定期的に図書の貸し出しを行い、子どもたちの読書習慣の定着を促進していく。

▼スポーツ・レクリエーション

　野球は北海道日本ハムファイターズ、サッカーは北海道コンサドーレ札幌に引き続き委託し、子どもたちが高度な技術や考え方を習得するための環境づくりに取り組む。

▼博物館

　展示数日本一と言われるアンモナイト化石など、古生物を生かした学術研究の充実・発展と地域に根ざした教育の場を提供する。

(市町村 2020-03-18付)