リポート 札幌市内放課後等デイサービス 居場所の必要性高まる 9割以上 通所時間拡大も (市町村 2020-03-19付)
札幌市保健福祉局は、4日時点の障がい児入所施設・障がい児通所支援を行う事業所の開所状況をまとめた。障がい児の自立支援の促進と放課後等の居場所づくりを推進する放課後等デイサービスを行う事業所は497ヵ所。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、障がいのある子どもの居場所の必要性が高まっていることなどから、9割以上の事業所が開所しているほか、通所時間を拡大している事業所もある。
放課後等デイサービス事業は、学校通学中の障がい児に対して、学習支援や生活能力向上のための訓練等を継続的に提供することで、障がい児の自立促進と放課後等の居場所づくりを推進するもの。小・中学校、高校の児童生徒を対象としている。
利用者が事業所に対して支払う利用料は全利用額の1割。ただし、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯はゼロとしているなど、世帯の収入に応じて利用料は異なる。
厚生労働省は2月27日、通知「新型コロナウイルスなどの感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」を発出。保護者が仕事を休めない場合、自宅等で1人で過ごすことができない幼児児童生徒がいることも考えられることから、感染の予防に留意した上で、原則として開所することを要請したほか、開所時間を可能な限り長時間とするなどの対応を求めた。
また、2月28日にも通知「新型コロナウイルスなどの感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応についてその2」を発出。各教育委員会等においては福祉部局や福祉事業所と相談した上で、地域の障がい福祉サービス等も活用して、幼児児童生徒の居場所の確保に取り組むよう求めた。
市はこれらの通知を各事業所に発出。4日時点で市内497事業所のうち40施設が休業を要請しているものの、9割以上の事業所が開所していることが明らかとなった。
北区で事業を実施している「天使のわ」では、2日から通所時間を拡大。接触を避けるべく個人対応を行うなど、各家庭と連携を図り対応している。現場では「居場所を確保できてありがたいが、いつまで続くか分からない状況に保護者から不安の声も多い」と話す。
札幌市内小・中学校は2月28日から今月25日まで、高校は24日までが一斉休業期間となった。放課後等デイサービスを利用する側にとっても、臨時休業が長期化すれば利用者の負担増が懸念される。
他の自治体では、新たに利用を始めた家庭を対象に負担額の全額補助を始める動きもある。今後、同様の対応を求める声も上がるのではないか。
(市町村 2020-03-19付)
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