湧別町2年度教育行政執行方針 学校力向上事業推進へ 指導室設置し体制強化(市町村 2020-04-02付)
湧別町教委・阿部勉教育長
【網走発】湧別町教委の阿部勉教育長は令和2年度教育行政執行方針で、新たに湧別町型学校力向上事業を展開し、「確かな学力を育む主体的・対話的な国語の授業の創造」をテーマに公開授業や研修を通して町全体の学力向上を図る考えを明らかにした。併せて、町教委に指導室を設置し、指導体制の強化を図ることを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼地域に期待、信頼される学校づくりについて
義務教育学校制度は、湧別町が目指す小中一貫教育の核となるものであることから、2年度は湧別地区への義務教育学校の開校を進める。
具体的には、現在の湧別小学校は建築後48年経過し老朽化が激しいことから湧別中学校に小学校棟を増築し義務教育学校の校舎とする。2年度は、この小学校棟の増築と中学校棟の統合改修の基本設計および実施設計業務を行う。
学校運営協議会については、地域とともにある学校づくりを進めるため、昨年、町内すべての学校に学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を設置したので、今後は地域と学校間の連携を基本とし、町内の各学校運営協議会が横断的な交流や情報の共有を図り、各学校における様々な課題を学校と地域が協働して解決できるよう支援していく。
将来の学校の適正配置については、平成29年2月に策定した町立小・中学校適正配置計画が令和3年度に計画期間が満了することから、児童生徒数の将来推計や学校の老朽化の状況を見据えながら、第2次町立小・中・義務教育学校適正配置計画の策定に向け協議を進めていく。
▼学校教育における学力向上への取組について
全町的な取組として、ことしから3年間で湧別町型学校力向上事業を実施することとし、湧別小学校を中心として「確かな学力を育む主体的・対話的な国語の授業の創造」をテーマに町内すべての教員の指導力向上のための公開授業と研修を行い湧別町全体の学力向上を図る。
町内全体の学力向上と小中一貫教育の推進を図ることを目的として、教育委員会内部に指導室を設置し、専門的教育職員を配置することで、指導体制を強化していく。
さらに、子どもたちがプログラミング学習で使用する教材を整備し、併せて情報通信技術を活用した学習に必要な教材や備品の整備に努めていく。
▼安全・安心な学校づくりの推進について
すべての学校の玄関に防犯カメラを設置して、監視体制を強化し不審者の侵入や事件の未然防止を図るとともに、猛暑対策として全学校の保健室にエアコンを設置して、児童生徒の体調管理に努める。
▼豊かな心と健やかな体の育成について
部活動の運動部については、生徒数の減少で学校単位での活動が困難な状況となったため、前年度から生徒が他校の部活動に参加できるオール湧別方式を導入し、2年度も引き続きこの方式での部活動を進めていく。
また、吹奏楽部についても、運動部と同様にオール湧別方式を視野に入れた合同チームによる活動を進めていく。
▼特別支援教育について
湧別小に開設している通級教室は、町内学校のセンター的機能を担っており、昨年から町内のほかの学校へも巡回通級指導を実施している。年々利用者が増えているので、指導教員の適正配置を進めながら、特別支援教育の充実を図っていく。
▼中高一貫教育の充実
中高一貫教育の理念である「地域の子どもは地域で育てる」のもとに、中学校2校と義務教育学校そして湧別高校、さらには地域が一体となって、一層の充実と発展を期すことができるよう支援していく。
▼湧別高校への支援
存続対策事業として、引き続き各種助成事業による支援を継続していく。
2年度は新たに、相互交流事業で海外の友好都市派遣に参加する町外生徒の渡航費を、町内生徒と同じく全額補助に拡大するほか、中学校ですでに派遣事業に参加した生徒であっても、湧別高校に進学後に複数回の参加が可能となるよう補助制度を拡大していく。
▼国際理解教育の推進
外国語指導助手の派遣回数を増やし、生きた英語を学ぶ授業の支援に努めていく。また、友好都市であるニュージーランドのセルウィン町およびカナダのホワイトコート町への中学生・高校生の交換留学・相互交流事業を継続していく。相互交流事業については、本年度はカナダへの派遣を予定している。
(市町村 2020-04-02付)
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