小中連携一貫教育モデル校区事業　指導の一貫性を確保　第１期最終報告　千歳市教委

（市町村 2020-04-03付）

　千歳市教委は、小中連携・一貫教育調査研究実践モデル校区指定事業第１期指定最終報告書を作成した。青葉中学校区と東千歳中学校区の２年間の調査研究をまとめたもの。成果として、９年間の目指す子ども像の共有や９年間を見通した教科系統図の作成による指導の一貫性の確保などを挙げている。今後は第１期指定の成果を全校に普及するとともに、第２・３期指定の中学校区の調査研究に取り組み、令和３年４月の全校導入に向けて準備を進める。

　市では、平成２９年に小中連携・一貫教育推進基本方針を制定。「義務教育９年間を見通した系統的な教育活動や小・中学校の円滑な接続を目指す取組を通して、子ども一人ひとりの学力・体力の向上と豊かな人間形成を図る」ことを目的に、３０年度から小中連携・一貫教育調査研究実践モデル校区を指定し実践的な調査研究を進めてきた。

　モデル校区指定事業では第１期として、３０年度からの２年間、青葉中学校区と東千歳中学校区を指定。第２期として、元年度から２年間を向陽台中学校区と勇舞中学校区、第３期として２年度の１年間を富丘中学校区と北斗中学校区を指定し、３年間で６中学校区１７小・中学校が調査研究に取り組むこととしている。

　青葉中学校区（日の出小・祝梅小・青葉中）と東千歳中学校区（東小・東千歳中）の２年間の調査研究をまとめた第１期指定最終報告書では、事業の実施要領やモデル校区指定事業の取組の経過、２中学校区それぞれの報告を掲載。

　事業の成果としては、教育目標を共有する取組によって、９年間の目指す子ども像を共有し、系統性・連続性に配慮した教育活動に取り組むことができたことを取り上げた。

　教育課程に関する取組では、９年間を見通した教科系統図の作成によって指導の一貫性を確保。乗り入れ授業では、指導の連続性が図られるだけでなく、中学校教員の専門的な指導を参観することで小学校教員の指導力向上につながったことなどを紹介している。

　このほか、新体力テストの小中合同実施によって記録が向上したことや、学校運営協議会などの活用によって縦と横との連携が図られたことなどを挙げた。

　２年度はこれらの成果を全校に普及するとともに、引き続き第２期・３期指定の中学校区の調査研究を推進。

　また、市小中連携・一貫教育実施要領（試行）を策定し、１年間かけて各校へ周知し、３年度４月からの全校における小中連携・一貫教育の導入に向けて準備を進める。

(市町村 2020-04-03付)