苫前町2年度教育行政執行方針 勤務時間外に留守電 苫商高 道外生徒募集検討(市町村 2020-04-22付)
苫前町教委・池田文敏教育長
【留萌発】苫前町教委の池田文敏教育長は令和2年度教育行政執行方針において、教職員の働き方改革をさらに推進するべく、学校給食会計の公会計化、勤務時間外の留守番電話対応など、学校職員の業務負担の軽減を図る考えを示した。苫前商業高校の生徒数確保について、地元の生徒確保に向け、学校の魅力をアピールするとともに、道外からの生徒募集を検討する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【社会の信頼に応える学校づくりの推進】
▼創意と活力ある学校づくりの推進
町内小・中学校4校によって設立したコミュニティ・スクールについては、今後より一層地域全体で児童生徒の健やかな成長を願い、学校と保護者や地域住民が一丸となって知恵を出し合い、よりよい学校づくりの推進体制の確立向上を目指す。
地域と学校を結び付け学校支援を行う地域学校協働本部を社会教育課で実施し、学校運営協議会と連携・連動した体制によって、開かれた学校づくりと心身共に健全な子どもの育成に向けた活動を推進する。
▼揺るぎない信頼性を高める体制の確立
転入教職員を対象とした町内視察を実施するほか、町教育研究協議会への支援を行い、指定校公開授業、自主公開授業など学力向上に向けた研究を支援し、資質やモチベーションの向上を図る。
小学校において一昨年度から実施している教科指導における豊富な経験や実践的指導力を有する教員がチームとなって、国語と算数の授業をチーム・ティーチングによって授業改善を行う授業改善推進チーム活用事業の取組は、苫前・古丹別両小学校で学習規律の統一が図られ、教職員の資質が底上げされるなど効果が高いことから、本年度も実施を要望する。
近年、教員の長時間労働が問題となる中、本町では学校閉庁日・部活動休養日の設定、校務支援システムを導入したが、本年度からはこれまで学校で取り扱っていた学校給食会計を本町の歳入歳出予算による公会計化する。学校勤務時間外の留守番電話による対応の検討などのさらなる業務見直しを図り、児童生徒と向き合う時間を捻出するなど、学校職員の業務負担の軽減に努める。
【自立し社会で生きる実践的な力の育成】
▼確かな学力を育む教育の充実
一つの授業に複数の教員が指導に当たるチーム・ティーチングは、学習意欲の向上につながるきっかけとなるものとして非常に有効な手法。習熟度別指導と併せ、全学校で継続して取り組む。
苫前・古丹別の両地区に配置している学校教育支援員については、着実に成果が現れていることから引き続き配置し、特別な配慮が必要な児童生徒への支援を中心に分かりやすい授業づくりを目指す。
放課後や長期休業中の学習をサポートするため、各学校において補助的な学習機会を設けるほか、小学校と連携して子どもたちの家庭学習の定着と学力・体力の向上を目的とした学びの寺子屋を継続する。
古丹別小は本年度、2年生と3年生が複式学級となるが、児童に対する行き届いた教育環境を維持すべく、本町では町費負担によって教職員を採用し、複式学級解消を図る。
▼主体的に対応する力を育む教育の推進
学校と地域が連携した取組によって、望ましい勤労観や職業観を育み、将来の進路の参考となるような実践的なキャリア教育の充実を図る。教育における全国一律のICT環境の整備が急務とされ、児童生徒1人1台端末を前提としたGIGAスクール構想事業が進められていることから、一層のICT化に必要な整備を行う。
新学習指導要領によって本年度から小学校での英語の教科化に伴い、円滑な移行を進めるべく、2人体制となったALTを活用した授業改善や中学校英語教員の乗り入れ授業を継続し、指導体制づくりを進める。
▼地域総ぐるみで推進する魅力ある商業高校への支援
苫前商業高校は、職業高校としての特質を最大限活用し、地域と連携したキャリア教育が推進できる体制を支援する。
生徒数の確保は大変厳しい状況にあるが、引き続き同校後援会と連携の上、札幌や旭川、稚内の中学校訪問のほか、町内の両中学校も訪問し地元の生徒の確保に向けて、学校の魅力や優位性を広くアピールし、道外からの生徒募集も検討する。
(市町村 2020-04-22付)
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