東川町2年度教育行政執行方針 グローブの成果全国へ 10月に研究開発学校発表会
(市町村 2020-04-23付)

東川町・杉山昌次
東川町教委・杉山昌次教育長

 【旭川発】東川町教委の杉山昌次教育長は令和2年度教育行政執行方針で、3つの重点施策と、主要施策を説明した。重点施策には、平成29年度から4年間の指定を受けて取り組んでいる文部科学省委託事業「国際教育にかかる研究開発学校」の取組を挙げ、最終年度として、10月に新教科「グローブ(Globe)」に関する研究開発学校研究発表会(研究協議会)を開催するとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【基本方針】

 学校・家庭・地域の連携・協働した仕組みのもとで多様な教育資源を活用し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く人づくりを目指す。このため、基本方針を「ふるさとを愛し、多様性を認め合い、世界とつながり挑戦していくことができる人材の育成」とする。

【重点施策】

▼ふるさと教育の推進

 地域資源を有効に活用し、自然・地理・歴史・文化・産業などに関する学習を深めることによって、ふるさとへの愛着や誇りをさらに高め、地域を支える次世代の人材育成を図っていく。

▼学力向上対策の推進

 本町で生まれ育ったすべての子どもたちが、健やかに夢を育むことができるよう、小学校低学年からの学習のつまずきを把握し、個に応じたきめ細かな指導を進める。

▼国際教育(研究開発学校の推進

 29年度に文科省の指定(4年間)を受けた「国際教育にかかる研究開発学校」の取組は、文化や価値観などの異なる人々とよりよい人間関係を構築できる資質・能力の育成に重点を置き、幼・小・中・高を通して、本町の地域資源を最大限に活用した国際教育を推進している。

 研究延長の取組を進めるとともに、子どもたちが新教科「グローブ」で学んだ能力を実践の場で活用できるよう、在住外国人や日本語留学生、海外から訪れる生徒と交流するなど体験を充実させる。

 また、本年度は指定の最終年であることから、10月には、「ローカル」「グローバル」「コミュニケーション」で構成される新教科「グローブ」の実践研究成果を、全国の教員や教育関係者等を対象に発表する「研究開発学校研究発表会(研究協議会)」を開催する。

【主要施策】

▼就学前教育(乳幼児保育・幼児教育)の推進

 地域資源を活用した特色ある教育を充実させ、家庭や地域との連携を図りながら新教科「グローブ」をはじめ、プレスクール、スポーツ活動、絵本の読み聞かせを推進する。

 子育て支援センターの充実など地域の実情に合わせた子ども・子育て環境の一層の充実に努める。

▼学校教育の推進

▽新学習指導要領への移行

 主体的・対話的で、深い学びを視点とした授業改善を図り、議論する授業への質的転換、国際教育にかかる新教科「グローブ」の推進、GIGAスクールネットワーク構想の推進、プログラミング教育等を着実に推進する。

▽コミュニティ・スクール推進の充実

 地域と学校の連携・協働は、社会に開かれた教育課程の実現に寄与するものであり、今後も積極的に推進する。

▽組織力・学校力の向上

 専門性に基づくチーム体制の構築、教師の資質・能力の向上、働き方改革を推進する。

▽個に応じたきめ細かな授業の推進

 学習支援員・教育補助員・特別支援教育支援員の充実やICT環境の整備によって、児童生徒の実態に応じた習熟度別指導や少人数指導など、きめ細かな指導を実施し、学習内容の確実な定着と自ら学び考える力を育成する。

▽豊かな心を育む教育の推進

 いじめ防止基本方針に基づき、教育委員会と学校の組織的な取組および小1問題・中1ギャップ問題の未然防止に向けた幼小中連携の取組を推進する。

▽読書活動の推進

 読書活動推進計画で定めるアクションプランを遂行し、学校図書館の蔵書の充実を図るとともに、司書教諭・学校司書とせんとぴゅあⅡの図書館司書等が中心となり、本好きな子を育てる読み聞かせやブックトーク事業を積極的に進める。

(市町村 2020-04-23付)

その他の記事( 市町村)

下川町2年度教育行政執行方針 発達段階応じ環境整備 1人1台タブレット検討

下川町松野尾道雄  【旭川発】下川町教委の松野尾道雄教育長は、令和2年度教育行政執行方針において、プログラミング的思考能力の育成を図るため、新たにICTの活用の推進や情報処理に関する効果的な学習環境の整備を進...

(2020-04-27)  全て読む

札幌市教委 悩み・いじめアンケート 「相談しない」依然1割 方法や意義 指導充実を

誰にも相談しない(表)  札幌市教委は、令和元年度「悩みやいじめに関するアンケート調査」の結果をまとめた。「あなたは自分がいじめられたら、誰に相談するか」という質問に対して「誰にも相談しない」と回答した児童生徒は、...

(2020-04-24)  全て読む

余市町2年度教育行政執行方針 ICT機器充実目指す 地域に根ざした活動充実へ

 【小樽発】余市町教委の令和2年度教育行政執行方針では、学校のICT機器について、さらなる充実を図ることが示された。地域に根ざした教育活動の充実に向け、学校運営協議会制度の確立にも努める。 ...

(2020-04-23)  全て読む

算数にーごープロジェクト―札幌市教委 話し合いの場面設定を 指導用カリキュラム改訂

算数にーごープロジェクト  札幌市教委は、算数にーごープロジェクト事業における指導用カリキュラムの前期分を作成した。5年生の「体積」「整数と小数」の2単元と、6年生の「文字を使った式」の1単元分を校務支援システムにア...

(2020-04-23)  全て読む

音威子府村2年度教育行政執行方針 高校の生徒確保を推進 小学校英語教育充実図る

音威子府・髙曽根誠  【旭川発】音威子府村教委の髙曽根誠教育長は令和2年度教育行政執行方針で、おといねっぷ美術工芸高校が取り組んでいる地域みらい留学協議会に本年度も参加し、生徒確保の取組を推進する考えを示した。...

(2020-04-23)  全て読む

浦河町2年度教育行政執行方針 全小学校にCS導入 英検等検定料を全額助成

浦河町教育長・浅野浩嗣  【浦河発】浦河町教委の浅野浩嗣教育長は令和2年度教育行政執行方針で、新たに中学校区ごとに学校運営協議会を設置し、すべての小・中学校にコミュニティ・スクールを導入するとした。英語検定と漢字検...

(2020-04-23)  全て読む

新冠町2年度教育行政執行方針 適正規模計画を策定 横の連携・縦の接続意識

新冠町・山本政嗣  【浦河発】新冠町教委の山本政嗣教育長は令和2年度の教育行政執行方針で、教育施設の老朽化が進んでいることから、本年度、町義務教育課程適正規模・適正配置等基本計画を策定することを明らかにした。...

(2020-04-23)  全て読む

標津町2年度教育行政執行方針 標津高魅力化を推進 事務局に専任職員配置

標津町・山﨑佳  【釧路発】標津町教委の山﨑佳教育長は令和2年度教育行政執行方針で、標津高校魅力化に向け、小・中学校との連携を深め、高校支援体制を再構築するために、事務局に専任職員を置くとした。課題解決型授...

(2020-04-22)  全て読む

苫前町2年度教育行政執行方針 勤務時間外に留守電 苫商高 道外生徒募集検討

苫前町・池田文敏  【留萌発】苫前町教委の池田文敏教育長は令和2年度教育行政執行方針において、教職員の働き方改革をさらに推進するべく、学校給食会計の公会計化、勤務時間外の留守番電話対応など、学校職員の業務負担...

(2020-04-22)  全て読む

京極町2年度教育行政執行方針 ICT環境整備推進へ 学校運営協議会を導入

京極町・横路裕  【小樽発】京極町教委の横路裕教育長は令和2年度教育行政執行方針で、GIGAスクール構想の実現に向け、高速大容量の通信ネットワークをはじめとするICT環境整備に取り組む考えを示した。地域全体...

(2020-04-22)  全て読む