下川町2年度教育行政執行方針 発達段階応じ環境整備 1人1台タブレット検討
(市町村 2020-04-27付)

下川町松野尾道雄
下川町教委・松野尾道雄教育長

 【旭川発】下川町教委の松野尾道雄教育長は、令和2年度教育行政執行方針において、プログラミング的思考能力の育成を図るため、新たにICTの活用の推進や情報処理に関する効果的な学習環境の整備を進めていく考えを示した。1人1台のタブレット導入を検討し、児童生徒の発達段階に応じた学習環境へとなるよう取り組んでいく。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼小・中学校教育の充実

 確かな学力の向上として、全国学力・学習状況調査の分析結果を踏まえ創意ある教育課程の編成や、指導方法の工夫改善などのカリキュラムマネジメントを進め、児童生徒の学ぶ意欲を高める教育活動を推進する。

 児童生徒の発達段階に応じた学習環境については、新たに取り組むプログラミング的思考能力の育成に向けて、ICTの活用を推進し、情報処理に関する効果的な学習環境の整備を図るとともに、GIGAスクール構想に伴い1人1台のタブレット導入を検討する。

 外国語教育の充実のため外国語指導助手(ALT)による外国語および外国語活動の学習や国際理解教育の充実を図る。

 豊かな心の育成は、考え議論する道徳の実践に向け、指導方法の工夫改善や指導体制の確立を図るための支援を継続する。

 健やかな体づくりについては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の分析結果を踏まえ、子どもたちの体力向上に向けて、体育の授業改善や学校・家庭・地域の連携によって、体力向上を推進する。

 いじめ防止の取組については、学校における情報モラル教育の一層の充実を図るとともに、保護者に対しインターネットの安全・安心な利用に向けた家庭でのルールづくりを啓発する。

 特別支援教育については、必要に応じて外部の専門家による指導助言を受けるとともに、小・中学校に支援員を配置し、発達に課題がある児童生徒の学校生活を支援する。

 特色ある教育活動は、身近な自然環境、歴史・伝統文化、地域産業など、地域の大人たちから学ぶ機会を通した教育活動を進めるとともに、森林とのふれあいや林業体験などを通して学習する森林環境教育を行う。

 地域とともにある学校づくりについては、コミュニティ・スクール(学校運営協議会)の中で児童生徒の実態および課題を共通認識しているところであり、これらの課題解決のため学校運営協議会が主体となって事業の展開を図る。

 小中連携、一貫教育については、義務教育の系統的・継続的な教育を行うため、①9年間を通した子どもの学びのつながり②子ども理解・生徒指導の連続性③教職員の連携・協働④家庭や地域とのかかわり│の4点を視点とする。発達の段階に応じた継続的な子ども理解を柱に、9年間の系統的教育課程のとらえ直し、目指す子ども像の共有などを推進し、知・徳・体の調和のとれた育ちの一層の充実を図る。

 将来の学校施設の維持管理を検討するため、本年度は小・中学校施設の長寿命化計画を策定する。

▼下川商業高への支援

 地域に開かれた魅力ある学校づくりを進めるため、新商品開発や販売実習会などの実践的なキャリア教育、地域の特性を生かした特色ある教育活動、入学促進のための支援および部活動育成の支援を行うとともに、元年度に発足したコミュニティ・スクール(学校運営協議会)との連携・協働を確保し、存続維持・発展に向けた振興策を進める。

▼生涯学習の振興

 家庭教育では、子どもの発達段階に応じた各種セミナー、ブックスタートおよび体験講座などの学習機会を提供し、親子の絆を深める取組を実施する。

 児童室では、親子が安全で安心してふれあえる場を提供し、放課後児童の安全と居場所を確保する。

 図書室では、読み聞かせや読書イベントによって、子どもの読書活動を推進する。

▼生涯スポーツの振興

 本町のスポーツ文化であるノルディックスキージャンプにおいては、全道・全国・世界大会に出場する選手を輩出することで、子どもたちのみならず、町民に感動と勇気と可能性をもたらしている。幼小中高一貫指導を継続し、世界を目指す選手の育成を推進する。

▼芸術文化の振興

 郷土資料については、引き続き調査整理を進め、今後の資料の保存・整理・活用等を検討するとともに、ふるさと交流館、札天山収蔵館は、管理運営を見直し開館期間などを縮小する。

(市町村 2020-04-27付)

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