岩見沢西高教員がコロナ対策　保健室を改善整備　陰圧室参考に教職員で

（コロナウイルス関連 2020-06-08付）

約５平方㍍の空間をビニールで遮断

　【岩見沢発】岩見沢西高校（山﨑恒平校長）は、学校再開の１日から同校保健室内に陰圧室を参考とした排気設備を設置した。新型コロナウイルス感染症対策の一環で、金久保義徳教頭を中心に教職員らが作業。感染の疑いがある生徒を別室に隔離することなく、養護教諭の目の届くところで保護者の迎えを待つことができるため、生徒の不安軽減を期待している。

　新型コロナウイルス感染症拡大に関するテレビなどの報道をヒントに金久保教頭が発案。１日からの学校再開に合わせて５月２０日にビニールや木材、ダクト、ファンなど資材を発注。

　５月２６日に届き、分散登校などで見回りなど多忙な業務の合間に、金久保教頭を中心に教職員らが協力して作業した。

　保健室には入口が２ヵ所あり、うち１ヵ所のドア付近にあるベッド１床分のスペースをビニールで遮断。その空間を、風邪症状、強い倦怠感、咳などの症状がある生徒らに向けた専用の入口とした。

　遮断した空間からダクトを天井に這わせ、窓に接続。窓は１０数㌢空けた状態で固定し、ダクトを室外に伸ばして周りを密閉した。ダクト内にはファンを取り付け、スイッチを入れると屋外に向けて送風する仕組み。

　宮腰里佳養護教諭は、コロナウイルス感染症は容体が急変する恐れがあることから「保健室の一角にこのような空間があることで生徒の様子がいつでも確認でき、異変にすぐ気付くことができるから安心」と利点を挙げる。

　また、「隔離された部屋で不安な思いを抱えることなく保護者の迎えを待つことができる」と述べ、生徒が安心して過ごせることを強調した。

　金久保教頭は「本校の生徒は“人にうつしてしまったらどうしよう、迷惑をかけたくない”と考える優しい子が多い。子どもたちの不安な思いを取り除きたかった」と語った。

※キーワード＝陰圧室

　空気感染する可能性のある細菌が外部に流出しないよう、気圧を低くした部屋のこと。空気感染隔離室とも呼ばれる。

(コロナウイルス関連 2020-06-08付)