札幌市議会文教委員会(令和2年6月8日) 利用しやすい環境に 通年実施のLINE相談
(市町村 2020-06-11付)

 札幌市議会文教委員会が8日、市役所本庁舎で開かれた。市は、子どもアシストセンターにおけるLINE相談の通年実施について、利用しやすい環境づくりや事業の周知徹底を図る方針を示した。また、議案第1号および第25号における令和元年度一般会計補正予算のうち、放課後児童クラブ運営費についての質疑では、児童クラブと教職員との連携に関する取組を報告した。

◆児童虐待など

 市子どもの最善の利益を実現するための権利条例に基づく元年度の取組状況について質疑が行われた。

 子ども未来局の山本真司子ども育成部長は小学4年、中学1年に学校の授業で活用できる子どもの権利パンフレットを市教委と連携して配布したことなどを報告。

 今後5年間の取組をまとめた第3次推進計画を策定したほか、平成30年度子どもに関する実態・意識調査の結果では、子どもの権利に関する認知度が全般的に上昇傾向にあるものの、実際に子どもの権利が守られていると思う人の割合が特に大人で低いほか、「児童虐待など子どもの権利の侵害への対応は喫緊の課題となっている」と述べた。

 藤田稔人委員(自民党)は、いじめや児童虐待の件数が増加していることに対する改善点について質疑。

 山本子ども育成部長は、自己肯定感の高まりなどの成果は上がっているとした上で、30年度に実施した子どもの権利が守られていると思う大人の割合が低いことについて、児童虐待などの権利侵害の懸念があると認識。学校教育における子どもや家庭への取組など関係機関と協力しながら組織横断的に取り組んでいくとした。

 しのだ江里子委員(民主市民連合)は「児童生徒には子どもの権利を身近に感じられるような取組を進めてほしい」と求めた上で、29年度以降、若者の死因の1位が自殺である現状を指摘。札幌市における子ども若者の自殺の状況と、要因および対策についてただした。

 山本子ども育成部長は、保健福祉局が4月に発行した『札幌市の自殺の現状』によると20歳未満の自殺者数は10人前後の横ばいで推移していると報告。原因について「家族からの叱責や進路の悩みなどを有しているものが多く、原因は多様かつ複雑であると分析している」と答弁した。

 令和元年度から5年度までを計画期間とした自殺予防対策行動計画2019では、一次予防としてスマートフォンで簡単に閲覧できる「札幌こころのナビ」などの普及啓発や気づきなどに対応できるような教職員の研修など自殺予防に向けた適切な支援を行うとした。

 くまがい誠一委員(公明党)は、子どもアシストセンターにおけるLINE相談の通年実施について、今後の改善の取組を質問。

 山本子ども育成部長は「新たな課題の発生が想定される。課題の把握や関係機関との連携の評価、先行事例の把握などを進めていくことで子どもたちが相談しやすい環境づくりに努めていく」としたほか、LINE相談通年実施への周知の徹底を図るため、中高生へ友達追加のQRコードを配布するほか、様々な機会で子どもたちに周知することなどを伝えた。

◆児童クラブ運営

 水上美華委員(民主市民連合)と千葉なおこ委員(日本共産党)は、放課後児童クラブ職員負担軽減のために学校職員と連携して児童への支援に取り組んできた件について、具体的な活動内容をただした。

 山本子ども育成部長は、現場の職員や教職員との連携に関する取組報告で利用者の多い児童クラブを10館選定し、教職員による学習支援や心のケアなどを実施したことを報告した。

 水上委員は「学校現場の声を聴きながら、子どもに寄り添った準備ができるよう、教職員との連携をさらに強めてほしい」と求めた。

 千葉委員は「休校中よりも現場が忙しいとの声が上がっている。学校や学年によって登下校時間が違うため、3~5ヵ所の学校から受け入れている児童クラブでは児童の受け入れ時間などの管理が大変。現場がどのような状況にあるのかを確認してほしい」と求めた。

(市町村 2020-06-11付)

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