文科省　学びの保障フォーラム　行事重点化等で授業時数確保　総合対策パッケージ示す

（コロナウイルス関連 2020-06-15付）

　文部科学省は１２日、省内で子どもたちの学びの保障に向けたオンラインフォーラムを開いた。丸山洋司初等中等教育局長が、新型コロナウイルス感染症対策に伴う児童生徒の学びの保障の基本的考えと支援策をまとめた学びの保障総合対策パッケージのポイントを解説。会議の内容は動画共有サイトＹｏｕＴｕｂｅで公開しており、文科省「子供たちの学びの保障」ページからアクセスできる。

　はじめに、萩生田光一文科大臣が再開後の学校で子どもたちの学びを保障するため、「前例にとらわれず、できることを総動員して柔軟な発想で新たな“解”を探すことが重要」と強調。感染症の第２波・第３波を見据え、ＩＣＴ環境の整備やオンライン学習の準備を迅速に進める必要があるとし、「自治体や学校関係者と協力し、だれ一人取り残すことのない学びの保障に全力で取り組んでいく」と述べた。

　つぎに、丸山初等中等教育局長が学びの保障総合対策パッケージのポイントを説明。「土曜日の活用や長期休業の見直し」「時間割編制の工夫」「学校行事の重点化や準備時間の削減」などを行い授業時間を確保するよう要請。それでもなお本年度中に指導を終えることが困難な場合の本年度の特例として「最終学年以外での複数年を見通した教育課程の編成」「学校でしかできない学習活動の重点化」を行うことを伝えた。

　学習活動の重点化に関しては、各教科書発行者の協力によって作成した参考資料を文科省ホームーページに掲載していることを周知。授業以外の場で行う学習は「家庭や地域の理解の下、例えば学習指導員による放課後補習など、まずは学校としての対応が基本となる」と述べた。

　教員の負担軽減に向けては、学習指導員やスクール・サポート・スタッフの配置促進、各学校の負担軽減や感染症対策、きめ細かな指導を行うために必要な経費を補正予算で措置したとし、免許更新受講の猶予、文科省の調査・委託業務の見送りなどを行っていくとした。

　このあと、尼崎市教委、箕面市教委、京都府教委の代表者がＩＣＴを活用した学習支援、オンライン授業の実践などの取組を発表した。

(コロナウイルス関連 2020-06-15付)